米エドワーズ・ライフサイエンスのマイケル・ムサレム会長兼CEOは17日、都内で記者会見し、主力の弁膜症治療分野の次世代製品を、積極的に日本へ導入していく方針を明らかにした。数年以内に、生体人工心臓弁「マグナ」、経カテーテル人工心臓弁「エドワーズ・サピエン」の次世代製品を、発売にこぎ着けたい考え。ムサレム氏は「2009年度は日本で約10%の成長率を達成できるだろう」との見通しを示し、新製品投入でさらなる成長を目指すとした。
同社は、弁膜症治療製品、クリティカルケア製品に特化し、世界シェアトップ製品を展開。ポートフォリオを弁膜症治療とクリティカルケアの2分野に絞り込み、研究開発投資を積極的に行うことで、09年度はグローバルで10~12%の2桁成長を見込んでいる。
特に、日本は売上構成比の14%を占め、米国に次ぐ世界第2位の市場。今後もグローバルに展開するポートフォリオを導入し、新製品の国内販売を加速させる方針だ。
国内では、昨年発売した人工心臓弁「カーペンターエドワーズ牛心のう膜生体弁マグナ」を中心に販売を拡大し、成長を加速させる。既に米国、欧州では、マグナの次世代製品「マグナ・イーズ」「マグナ・マイトラル」が販売されており、数年以内の国内導入に向け、薬事承認申請の準備を進める。
また、経カテーテル弁置換術製品は、07年に欧州で発売された人工心臓弁「エドワーズ・サピエン」、さらに小型化を実現した次世代製品「エドワーズ・サピエンXT」の治験が欧州でスタートしている。10年には欧州、米国では11年以降に発売する予定だ。
一方、国内治験は、次世代製品の「エドワーズ・サピエンXT」で実施し、日本市場への導入を目指す方針だ。「エドワーズ・サピエン」に関しては、大阪大学医学部心臓外科と共同の臨床研究を準備中で、申請目的の治験は行わない予定。
エドワーズ・ライフサイエンス日本法人のケイミン・ワング社長は、「日本では薬事承認に時間がかかるため、サピエンの国内治験をしている間に、次世代製品が登場してしまう」と指摘。デバイス・ラグ解消の観点からも、次世代製品である「エドワーズ・サピエンXT」の国内導入を目指す考えを明らかにした。現在、治験相談中という。
さらに、クリティカルケア製品では、欧州で開発中の糖尿病患者向けグルコースモニタリング製品を、国内市場に投入する。