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【エスエス製薬】羽鳥社長が抱負‐独自の経営戦略が「第2段階」へ

2009年10月02日 (金)

コアブランド売上高は8%増の予想

事業戦略を語る羽鳥社長

事業戦略を語る羽鳥社長

 ここ数年、OTC医薬品を中心としたCHC(コンシューマーヘルスケア)事業に経営資源を集中するなど、事業構造改革に取り組んでいるエスエス製薬。2009年度上半期は、売上・利益ともに期初計画値を上回ったが、中でも五つのコアブランド(エスカップ群、イブ群、ハイチオール群、エスタック群、スルーラック群)は、広告宣伝費の重点投入を行ってきたことも寄与し、コアブランド全体の売上高は前年同期比6・5%増と、OTC市場全体の伸びを大きく上回った。羽鳥成一郎社長は9月28日の薬業各紙との懇談会で、「07年からの経営戦略が順調に成果を出している」と評価すると共に、「引き続き主力品のマーケティング戦略を推進し、通期ではコアブランドの売上高は8・1%増の予想」とした。

 同社では、経営の効率化と持続的な成長の実現を目指し、07年から独自の経営戦略「IBM(Ideal Business Model、理想のビジネスモデル)」を進めてきた。07年度からの第1段階では、構造改革による体質改善に主として取り組み、09年度からは、シンプルで生産性の高い社内組織への体質改善を図りながら体力をつけてきた成果を基に、持続的な成長につなげる“第2段階”と位置づける。

 IBMの第1段階である構造改革で得られた経営資源を、広告宣伝費および販売促進費として「コアブランド」に投下すると共に、マーチャンダイジングのさらなる強化を図ることで、コアブランドのブランド力を高め、メガブランドへと育成する。ブランド強化はロイヤルカスタマー獲得につながり、売上高の安定的な成長と、効率的な経営と相まって、営業利益率も向上する。そして得られた利益を、さらに広告宣伝、新製品開発、マーチャンダイジングの充実へ振り向け、新たなメガブランドを生み出すというのが、同社の目指す成長サイクル。

 09年度通期の単体売上高は0・6%減の414億円の予想だが、うちCHC事業は0・3%増の399億円、コアブランド全体では8・1%増の294億円と、さらなる伸長を見込む。中でも、「イブ群」69億円(19・7%増)、「ハイチオール群」63億円(12・7%増)、スルーラック群21億円(20・9%増)については、2桁の伸びを期待する。

 羽鳥氏は「IBMによる資源投下(第1段階)は間違っていないと評価している。既存のハイチオールCに新たなブランド(ハイチオールB)、イブAに新たなブランド(イブクイック)が加わっても、明確に差別化・ポジショニングされており、既存ブランドの売上は落ちていない。まさに、マーケティング戦略の勝利だと思う。広告宣伝費は前期比8億円増の62億円を見込む」と述べた。

 かぜ薬「エスタック群」は、上期は15・7%減と苦戦したが、通期では8・2%増の49億円を予想する。第1類医薬品の「エスタックイブファイン」を筆頭に、既存品のパッケージ改良など、ブランドイメージ統一という新たな試みで、ポジショニングを明確にアピールし、巻き返しを図る。

 主力のドリンク剤「エスカップ群」は、通期で92億円、3・9%減の予想。これまでイメージキャラクターに格闘技の選手などを起用し、ブランドイメージ浸透を図ってきたが、TVCMは06年4月が最後となっていた。「11月頃をメドに、新たなCMを投入する考えだ。新製品開発も含め、来年度はエスカップのブランドを、より大きくアピールする年と位置づけている」(羽鳥社長)とする。

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