厚生労働省は19日、新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法案要綱をまとめた。新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済措置を厚生労働大臣が行うと共に、輸入ワクチンについて、損害賠償によって生じる製造販売業者の損失も国が補償することが柱。同日開かれた厚労省政策会議に報告した。
新型インフルワクチンは任意接種のため、定期接種となっている高齢者等の季節性インフルワクチンと異なり、予防接種法で定める被害救済の対象とならない。医薬品医療機器総合機構の副作用被害救済制度の対象にはなるが、誤った接種など不適正使用は除外される。そのため、予防接種法の定期接種に準じた救済の仕組みを法的に整備することとなった。
具体的な基準は政令で定めるが、[1]医療費・医療手当て[2]障害児養育年金(18歳未満の養育費)[3]障害年金[4]遺族年金または一時金[5]葬祭料――を給付する。施行日より前に接種を受けた者にも、原則として適用する。
また、薬事法上の特例承認を受ける予定になっている輸入ワクチンについては、製造販売業者に対する政府補償を、輸入業者と契約できるよう、法律に記載した。
このほか、新型ワクチン接種の実施状況、有効性、安全性に関する調査研究の結果を勘案し、将来発生が見込まれる感染症の予防接種のあり方や、被害救済について速やかに検討し、必要な措置を講ずることも、条文に盛り込んだ。