日本病院薬剤師会が行った「病院薬剤部門の現状調査」で、一般病院3481施設のうち、全ての入院患者に対して持参薬をチェックし、医師などと情報の共有化を図っている施設が半数を超え、2年前の前回調査(40%)に比べ、11ポイント伸びていることが分かった。また、チーム医療への取り組みでは、栄養サポートチーム(NST)への参加施設が最も多く、1953施設(56%)に上ることも分かった。
調査は、病院における薬剤師の業務実態を把握するためのもので、日病薬に加盟する医療機関のうち、20床以上を有する6737施設を対象に行った。回答施設数は4144施設(回答率は61・5%)。そのうち集計に用いることができたのは4083施設だった(一般病院3481、精神科病院602施設)
一般病棟での持参薬についてはこのほか、一部の患者に対して持参薬をチェックし、医師などと情報共有している施設が1359施設(39%)、入院患者に対して持参薬のチェックはしているが、医師などへの情報提供を行っていない施設が87施設(3%)あり、取り組んでいない施設は163施設(5%)で、ほとんどの施設が何らかの形で管理を行っていた。
チーム医療への取り組みでは、感染制御チーム(ICT)の一員として活動している施設が1453施設(41%)、褥瘡対策チームへの参加と回診に同行している施設が1152施設(33%)、緩和ケアチームへの参加が752施設(21%)と続いた。
薬剤師の病棟常駐は、まだ少数施設にとどまっているが、全病棟を対象に薬剤師を配置する体制に取り組んでいる施設が204施設(6%)あり、一部の病棟のみに常駐させている施設が188施設(5%)あった。
薬剤管理指導の施設基準を届けているのは、約8割の2751施設。届けていない施設は、施設基準に満たないが292施設(8%)、実施したが入手できなかったが261施設(7%)あった。
夜間宿直体制があるのは607施設(17%)あり、オンコール対応が1341施設(39%)、夜間体制がないが1201施設(35%)、居残り対応が261施設(8%)だった。
休日体制としては、日直体制があるのが1062施設(31%)、オンコール対応1140施設(33%)、半日日直体制が206施設(6%)、ないのが1029施設(30%)などとなっている。