厚生労働省は8日、2012年から始まる、薬学教育6年制に対応した薬剤師国家試験の見直し案を、医道審議会薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会に示し、大筋で了承された。見直し案は、厚労省が新たな国家試験の出題基準や出題数、合格基準などの基本的な考え方を示したもの。この日の部会での議論を踏まえて修文、16日の分科会に諮る。
厚労省の見直し案では、「必須問題」と「一般問題」についての考え方を追記。「必須問題」は、医療の担い手である薬剤師として、特に必要不可欠な基本的資質を確認するもの。「一般問題」は、薬剤師が直面する一般的課題を解釈・解決するための資質を確認するもの。
また、一般問題のうち薬剤師に必要な知識を中心に、薬学の理論に関する資質を確認する「薬学実践問題」についても細かく規定。
薬学実践問題は、「実務」から20問を確保すると共に、それぞれの科目と「実務」とを関連させた複合問題として出題され、計130問を確保する。内訳は次の通り。
▽「物理・化学・生物」と「実務」との複合問題30問=「物理・化学・生物」「実務」が15問ずつ
▽「衛生」と「実務」との複合問題20問=「衛生」「実務」が10問ずつ
▽「薬理」と「実務」との複合問題20問=「薬理」「実務」が10問ずつ
▽「薬剤」と「実務」との複合問題20問=「薬剤」「実務」が10問ずつ
▽「病態・薬物療法」と「実務」との複合問題20問=「病態・薬物療法」「実務」が10問ずつ
▽「法規・制度・倫理」と「実務」との複合問題20問=「法規・制度・倫理」「実務」が10問ずつ
また、医師や歯科医師の国家試験に導入され、選択すると、それだけで不合格となる「禁忌肢問題」については、今後の検討課題とし、当面は導入しないこととした。
しかし、委員からは「医師や歯科医師の国家試験の動向を見ながら、引き続き検討することを加えるべき」などの要望が出たため、12年には導入しないものの、他職種の動向を踏まえつつ、導入を検討する方向で修正が加えられることとなった。