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【2010年年頭所感】信用できる厚生労働省創出‐厚生労働大臣

2010年01月01日 (金)

厚生労働大臣 長妻 昭

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 昨年は、国民の皆様からの歴史的な審判により、政権交代が実現しました。とりわけ、厚生労働行政に対する皆様の期待は、非常に高いものがあります。

 私は厚生労働省の代表という立場であると同時に、国民の皆様から厚生労働省を指導・監督するよう、送りこまれた立場であると自覚しております。

 私自身、謙虚に国民の皆様の声を聞いて、生活者の立場に立った信用できる厚生労働省を創り上げる決意を新たにし、新年に挑む決意を述べさせていただきます。

 国家の礎は二つの保障です。安全保障、そして社会保障です。

 憲法でいえば、安全保障は9条、社会保障は25条に基本的規定があります。

 憲法25条にはこうあります。

 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

 国が国民の最低限の生活を保障することをうたっています。

 しかし、実際には、具体的に最低限度の生活とは何か、という最低生活基準、ナショナルミニマムが各分野においてきちんと定められておりません。

 さらに、実際に、最低限の生活を守る行政が実行されているのか、その検証も不十分だと考えます。

 昨年末に「ナショナルミニマム研究会」を設置し、今後、ナショナルミニマムを保障する基準作りに取り組んでまいります。

 厚生労働省に不足している能力は大きくは三つあると感じます。

 実態把握能力、制度改善能力、コミュニケーション能力です。これらの能力を向上することに全力で取り組みます。

 例えば、新しい社会保障の制度や仕組みを作っても、それが本当に狙い通り機能するのか。実態を把握しなければ、制度は上滑りしてしまいます。

 世界と比べて日本はどのような状況なのか。誰がどこで、なぜ困っているのかなど、厚生労働行政に何が不足しているのかを正確につかむことも重要です。これが実態把握能力です。

 新しい制度も一度作ったら、作りっぱなしにするのでなく、不断の改善努力を続けなければなりません。民間では当たり前のアフターサービスの考え方です。これが制度改善能力です。

 厚生労働省は国民の皆様の身近な行政を担当している役所です。それだけに、誰が読んでも分かる通知など、的確な情報発信を心がけなければなりません。これがコミュニケーション能力です。

 これまでの厚生労働行政については、年金記録問題や保険料の浪費問題をはじめ、国民の信頼を失墜させる問題がありました。

 天下り団体への過剰な補助金の交付や不要不急の事業など、税金の使用において正すべき課題も見受けられます。

 私は、これまでの厚生労働行政の中にある問題の解決に取り組むと同時に、体質改善にも努めてまいります。

 そのためには、官僚に任せっきりにするのではなく、政治主導が重要です。

 大臣、副大臣、大臣政務官の政務三役のチームが、改革意欲に富んだ職員と力を合わせて、様々な課題に取り組む所存です。

 就任以降、天下り法人や内部留保率が著しく高い公益法人に対する補助金等の削減などにより、浪費削減に取り組みました。

 このほか、調達を一括購入とするなど行政経費の節約や、独立行政法人への天下りの見直しや浪費削減に取り組んでいます。

 厚生労働省の役所文化を変える第一歩としては、昨年10月から厚生労働省職員の人事評価基準を変えました。

 各省庁共通に行われる改正国家公務員法に基づく人事評価制度の実施に当たって、厚生労働省独自の評価を導入しました。

 特に「コスト意識・ムダ排除」や「制度改善に当たってのアフターサービスの考え方の導入」「国民の生命・財産にかかわる事案の情報収集・公開」の視点に着目した業務目標を事務次官以下の職員に立てさせ、半期ごとに業績を評価します。

 国民目線の評価と省内の評価が一致するような人事評価基準とすることを狙いとしています。

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