日本薬剤師会会長 児玉 孝
明けましておめでとうございます。
皆様におかれましては、心新たに新年をお迎えになられましたこととお慶び申し上げます。
さて、政権交代による政治手法の考え方の変化、また、景気後退による財政悪化を要因とする予算および事業圧縮により、日本薬剤師会におきましても、調剤報酬改定など様々な厳しい状況となっています。
このような中、日本薬剤師会としましては、どのような状況になりましても、薬剤師の将来への方向性を見失うことなく、本年も新たな気持ちで取り組んでいく所存です。
そのような中、本年の主な課題は下記の通りと考えています。
[1]薬学教育6年制実務実習の開始
[2]公益法人制度改革の本格化
[3]改正薬事法経過措置への対応
[4]薬剤師の将来ビジョンの策定
[5]仮称“日薬会館”建設
[6]生涯学習システムの構築
[7]診療報酬・介護報酬同時改定への対応
[8]政局への対応 etc.
いずれも薬剤師、薬剤師会の将来に影響を及ぼす重要な課題と認識しています。多難ではありますが、2年3カ月後に薬学6年制の薬剤師が社会に出てくるまでに、区切りをつけなければならないと考えています。
ただ、今一つ忘れてはならないのは、対国民、対マスコミ対応です。確かに個々の会員の大変な努力、関係者の協力により、医薬分業は60%に、そして薬学教育6年制が実現しました。これらにより薬剤師職能を発揮する環境は確実に整備されてきていますが、肝心な患者さんの、国民の一層の理解、支持がなければ進みません。
こういった観点から、読者並びに報道各社におかれましても、文字通り、叱咤激励の上、なお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
終わりに当たりまして、本年も、皆様にとって良き年となりますことを祈念申し上げ、会員から感謝の気持ちを込め新年のあいさつとさせていただきます。