来年度から始まる初の長期実務実習に、9560人の薬学生が参加する見通しとなった。ただ、1月末までに終了した共用試験の本試験、続く2月以降の追再試験等による留年者も考えられ、最終人数は若干減少する可能性がある。実習学生数が当初予想より少なくなったことから、実習先は病院・薬局実習共に、在籍大学とほぼ同一地区内で確保された。
薬学教育協議会がまとめた各学年の在籍者数によると、6年制の学生は、4年生が9560人、3年生1万1855人、2年生1万2570人、1年生1万2530人だった。ただし、入学時に6年制と4年制とを区別しない北里大学、大阪薬科大学については全数でカウントしている。4年生全員が初年度の長期実務実習に参加するとすれば、実習学生は9560人ということになる。
本紙の調査によると、2006年度における国公私立合わせた67校の入学定員は1万2454人(6年制1万1220人、4年制1234人)で、1万3337人が入学した。6年制への進路が入学時点で定まっていない国公立を定員数とし、一括入試を行っている私立2校を全数とすると、6年制入学者は1万2272人になる。それからすると、初年度の長期実務実習生は、当初見込みよりかなり少なくなっている。
そうしたことも反映してか、協議会では薬局・病院実習について、「ほとんどが同一地区内で集中して実施することができる状況にある」と見ている。
実際、東北地区での薬局実習は宮城県を中心に第I期162人、第II期214人、第III期141人が割り振られ、薬科大学のない秋田県、山形県、岩手県での割り振りは少なめだ。関東地区では一部、山梨県や長野県で行われるが、1都3県に集中している。東京都では第III期までに1437人余、同様に神奈川県では714人、千葉県675人、埼玉県550人が行われる予定だ。
近畿地区でもほぼ同一地区に集中し、大阪府で699人、兵庫県583人、京都府239人、このほか中四国地区で若干名の実習実施が予定されている。また九州山口地区では、多くは第II期までに終える予定で、福岡県309人を中心に長崎県、熊本県などが比較的多くの実習生を受け入れる予定だ。
北海道で想定される320人についても、道内で第I期86人、第II期132人、第III期55人、第IV期47人が割り振られている。
病院実習についても、ほぼ薬局実習と同様の傾向にある。