HP掲載料をクリック課金制に

肥田氏
グッピーズは、医薬業界特化型の人材サービスと求人・転職サイト事業を展開している。ホームページを使いやすいようにリニューアルし、求人情報について1~3カ月の期間に応じた掲載料だったものを、1ページ単位のクリック課金に変更したことが大きな動きだ。見られた数に比例して応募数も増えることに対応したこの方式は、「当社の売上にはメリットがあるとは言えないが、利用者側のメリットは大きい」と、顧客起点のビジネススタイルを進めていることを肥田義光社長は強調する。人材サービスとサイト事業で同社が最も重視しているのは“信頼”。「信頼なくして、このビジネスは成り立たない」と言い切る肥田氏に、同社の特徴などを聞いた。
「新卒者」の紹介で確固たる実績誇る
グッピーズは、2000年から薬剤師向け転職情報サイトを運営し、10年の歴史を積み重ねてきた最古参だ。薬学教育6年制によって今は端境期にあるが、それでも5000~8000人くらいは国家試験を受験し、3000~4000人の薬剤師が誕生すると見込んでいる。同社は毎年、試験終了後1カ月半で50~100人を紹介しているように、新卒の紹介に強い実績を誇っている。
確たるポジションにいる同社だが、同業者も増えてきている状況から、肥田氏は社員に対して、「従来よりもよいサービスを提供しろ」と檄を飛ばしているという。同業者の中には、「粗いサービス」(肥田氏)を行っている事例も散見されるが、グッピーズでは原則、面談を実施してから紹介する、きめ細かな対応に徹している。
その際に威力を発揮するのが、医薬業界を熟知しているコーディネーターの存在だ。社長の肥田氏をはじめ3人の薬剤師を擁し、クライアントの社風や特徴と、最適な人材をマッチングさせられる適合性の高さには定評がある。これが医薬に特化した同社ならではの強みだ。
携帯サイトが人気‐アクセス数も増加
リニューアルした求人サイトは好評のようだ。さらに使いやすさを追求していく方針で、その一環として、求人側のクライアントを支援する「サポートセンター」を立ち上げた。3人の常勤体制でサイトの使い方をサポートしている。
また、携帯サイトも使い勝手のよいように改良した結果、アクセス数も増加している。
若者にとっては、ネットよりも携帯サイトの方が慣れているらしく、12月にオープンしたが、既に携帯によるアクセス数が全体の10%以上に達したという。「今後、携帯サイトに注力して、ネットサイトレベルのサービスを展開していきたい」と肥田氏。
サイト掲載料方式を変更したことに関しては、「クリック課金システムの構築は、通常システムに比べ、数倍のコストがかかる。コスト回収には時間がかかるが、当社のサイトが顧客にとってメリットがあり、より使いやすくなることで、ハローワークのような社会的インフラとしての存在にしていきたい」と抱負を語る。
1ページ単位のクリック料金は、ダイレクトメールと同様に80円に設定している。クリックカウントが事業成長に直結することになる。不正アクセスをいかに排除するかがこの料金システムの鍵になるが、「当社のビジネスでは信頼性が最も大事であり、信頼がないと成り立たない。信頼に直結するコンプライアンスは、他社以上にきちんとやっている」と強調した。
薬剤師のほかにも、新しく制度化された登録販売者も登録しているが、まだ求人ニーズは盛り上がっていない。薬剤師、薬局に関連する事業に自信を見せる同社では、毎年新規ビジネスモデルも立ち上げている。実績と信頼に満足することなく、常に新しい事業展開も模索している。
グッピーズ
http://www.guppy.jp/apo