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【薬食審医薬品第一部会】9品目の新薬が登場へ‐初の抗糖尿病配合剤を了承

2010年03月03日 (水)

 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は2月26日、糖尿病治療薬の配合剤として国内初となる武田薬品の「メタクト」、ファイザーの帯状疱疹後神経痛治療薬「リリカカプセル」など9品目を審議し、承認を了承した。いずれも今月の薬事分科会を経て、4月にも正式承認される見通しだが、参天製薬の「モイスティア」、アレクシオンファーマの「ソリリス」は、薬事分科会で再び審議されることになった。

 リリカカプセル25mg同75mg同150mg(ファイザーが製造販売):有効成分はプレガバリン。効能・効果は、帯状疱疹後神経痛。脳神経細胞の活性の調節に関与するγ‐アミノ酪酸(GABA)に作用し、神経痛を抑える。再審査期間は8年、原体・製剤とも毒薬・劇薬には該当しない。海外105カ国で承認されている。

 モイスティア点眼液3%(参天製薬が製造販売):有効成分はジクアホソルナトリウム。効能・効果は、ドライアイ。再審査期間は8年、原体・製剤とも毒薬・劇薬には該当しない。海外での承認はない。

 同剤は、眼表面のP2Y2受容体に作用し,水分やムチンなどの分泌量を増やし、ドライアイを解消するという新規の作用機序を持つ。

 現在、米国のインスパイアが開発を進めており、審査中。日本で承認されれば初めてとなる。なお、事故防止の観点から、販売名を「ジクアス点眼液3%」に変更する予定。

 フェントステープ1mg同2mg同4mg同6mg同8mg(久光製薬が製造販売):有効成分はフェンタニルクエン酸塩。効能・効果は、非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)。再審査期間は6年、製剤が劇薬に該当する予定。海外での承認はない。

 コソプト配合点眼液(万有製薬が製造販売):有効成分はドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩。効能・効果は、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合の緑内障、高眼圧症。再審査期間は6年。

 同剤の配合割合は、ドルゾラシド塩酸塩1%とチモロールマレイン酸塩0・5%だが、海外では、2%と0・5%のものが89カ国で承認されている。

 ネシーナ錠6・25mg同12・5mg同25mg(武田薬品が製造販売):有効成分はアログリプチン安息香酸塩。効能・効果は、2型糖尿病。服用の対象は、[1]食事療法、運動療法のみ[2]食事療法、運動療法に加えてα―グルコシダーゼ阻害剤を使用――で十分な効果が得られない場合に限る。再審査期間は8年、原体・製剤とも毒薬・劇薬には該当しない。

 同剤は、ジャヌビア錠、エクア錠に次ぐ3番目のDPP‐4阻害薬。承認に当たり、指示事項として、海外で心血管イベントのリスクを評価するデータが報告された際、医療機関に情報提供することを求めた。

 メタクト配合錠LD同HD(武田薬品が製造販売):有効成分はピオグリタゾン塩酸塩とメトホルミン塩酸塩。効能・効果は2型糖尿病で、服用の対象は、ピオグリタゾン塩酸塩およびメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。再審査期間は4年。

 配合割合は、LDがピオグリタゾン塩酸塩15mg、メトホルミン塩酸塩500mg。HDが30mg、500mg。海外42カ国で承認されている。 ▽ネスプ注射液10μg/1mLプラシリンジ、同15μg/1mLプラシリンジ、同20μg/1mLプラシリンジ、同30μg/1mLプラシリンジ、同40μg/1mLプラシリンジ、同60μg/0・6mLプラシリンジ、同120μg/0・6mLプラシリンジ、同180μg/0・9mLプラシリンジ(協和発酵キリンが製造販売):有効成分はダルベポエチン・アルファ(遺伝子組み換え)。効能・効果は、腎性貧血。海外54カ国で承認されている。同剤は、新規投与経路として皮下注射を加えたほか、透析前の保存期の慢性腎臓病患者への投与も可能にした。

 ユニシア配合錠LD同HD(武田薬品が製造販売):有効成分はカンデサルタンシレキセチルとアムロジピンベシル酸塩。効能・効果は、高血圧症。再審査期間は4年。海外での承認はない。配合割合は、カンデサルタンシレキセチル8mg、アムロジピンベシル酸塩5mg。

 ソリリス点滴静注300mg(アレクシオンファーマが製造販売):有効成分はエクリズマブ(遺伝子組み換え)。効能・効果は、発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制。年間患者数は430人で希少疾病用医薬品。再審査期間は10年、原体・製剤とも劇薬に指定される予定。生物由来製品に該当する。海外33カ国で承認されている。

 承認条件としては、全例調査のほか、髄膜炎菌への罹患リスクが上昇するため、血液内科など専門医が使用し、髄膜炎菌へのリスク喚起を行うことを求めた。海外では、髄膜炎菌のリスクを低下させるため、ワクチン接種が必須となっているが、髄膜炎菌の保菌率が低い日本ではワクチンが開発されていないため、接種は求めない。しかし、同剤の販売を受け、サノフィ・パスツールがワクチンの開発を進める予定だという。

3品目を報告

 またこの日の部会では、次の3品目が報告された。

 ドルミカム注射液10mg(アステラス製薬が製造販売):有効成分はミダゾラム。効能・効果の麻酔前投薬、集中治療における人工呼吸中の鎮静について、小児の用法・用量を追加した。

 プロテカジン錠5同10(大鵬薬品工業が製造販売):有効成分はラフチジン。逆流性食道炎の効能・効果を追加した。

 フェリセルツ散20%(大塚製薬が製造販売):有効成分は、クエン酸鉄アンモニウム。胆道膵管撮影時の消化管陰性造影の効能・効果を追加した。



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