日本医学会(高久史麿会長)は来春、第28回総会を12年ぶりに東京で開催する。メインテーマに「いのちと地球の未来をひらく医学・医療-理解・信頼そして発展」を掲げ、学術プログラムとして250題以上を企画。このうち、30題程度でコメディカル関連のテーマを取り上げる計画だ。
記者会見した矢崎義雄会頭(国立病院機構理事長)は、医療・医学の現状を「完成度の高い医療が確立され、癌などの多くが治る疾患となり、国民は医療の成果を求めるようになってきた。しかし、逆に不確実性は高まり、さらに、医療費抑制策も医療に大きく影響している」と解説。こうした背景を踏まえ、「最新の情報発信はもちろん、医療・医学の置かれている現状の理解が深まる総合的な取り組みをしたい」と意気込みを語った。
第28回総会では、学術講演のほかに、過去最大規模の一般市民向け展示「わかろう医学・つくろう!健康EXPO2011」を併催し、医療関係者、関係企業・団体、市民ら35万人の来場を目指すという。さらに、展示会の紹介や各種情報発信をインターネット上で初めて行い、延べ100万人の参加を見込む。
また、医学会に加盟する107分科会からテーマを募集したのも今回の特徴。矢崎会頭によると、442議題の提案があったという。
学術講演は、2011年4月8日から3日間、東京国際フォーラム(丸の内)で開催。展示は、メイン会場が東京ビッグサイトで、登録会員向け学術展示を同7日から4日間、市民向け博覧会を同2日から9日間開く。スタチン発見者の遠藤章博士や、iPS細胞研究第一人者の山中伸弥京都大学教授による講演も予定されている。