薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は26日、フルオロキノロン系抗菌薬の「パシル」と「パズクロス」の効能・効果に、適応菌種として肺炎球菌、適応症に敗血症を追加し、新たな用量と規格を設定する一部変更承認を審議、了承した。6月に予定する薬事分科会に報告する。
審議の対象となった製品は、「パシル点滴静注300mg、同500mg、同1000mg」(富山化学が製造販売)と、「パズクロス注300、同500、パズクロス点滴静注液1000mg」(田辺三菱が製造販売)。有効成分は、いずれもパズフロキサシンメシル酸塩。
従来は、2回に分けて1日100mgの投与だったが、日本化学療法学会の要望を踏まえ、今回加わった効能・効果については、1日2000mgを2回に分けて投与できる新用量を設定。これに併せて1000mg規格の剤形追加も行う。
なお、新効能・効果での使用は韓国で承認されいている。再審査期間は4年で、原体・製剤とも毒薬・劇薬には該当しない。
免疫グロブリン製剤、新用法・用量を報告
また、同日の第二部会では、人免疫グロブリン製剤に新用法・用量を設定する一部変更承認について、厚生労働省から報告、了承した。
従来は、無または低ガンマグロブリン血症および重症感染症における抗生物質との併用で、成人に対しては1回体重1kg当たり成人で2500~5000mg、小児で100~150mgで適宜増減することとなっていたが、感染症のコントロールが不十分との指摘があり、日本小児感染症学会等から増量の要望書が提出されていた。
そのため、公知申請に基づいて、低または無ガンマグロブリン血症については、体重1kg当たり200~600mgを、3~4週間隔で点滴静注または直接静注する新たな用法・用量を認める。
対象となる製品は、▽献血ヴェノグロブリンIH5%静注2・5g/50mL(ベネシス)▽献血ベニロン‐I静注用2500mg(化学及血清療法研究所)▽献血グロベニン―I静注用2500mg(日本製薬)▽日赤ポリグロビンN5%静注2・5g/50mL(日本赤十字社)▽サングロポール点滴静注用2・5g(CSL Behring AG)▽ガンマガード静注用2・5g(バクスター)
このほか、中外製薬のタミフル(成分名:オセルタミビルリン酸塩)の再審査結果についても報告を受けた。同剤は承認の際に、[1]ハイリスク群の有効性・安全性の解明[2]B型インフルエンザウイスルに対する有効性・安全性の情報の積と当局への報告[3]タミフル耐性化に関する国内外の調査結果・情報を当局に随時報告する--が条件として付されていた。今回、耐性化情報の随時報告については引き続き求めることとし、その他は達成されたことを確認した。