塩野義製薬の手代木功社長は10日、2010年3月期決算説明会で、営業・経常・純利益とも過去最高を更新したものの、第二次中期経営計画(05~09年度)の経営目標は未達に終わったと指摘。その主要因として「経営管理の甘さ」を挙げ、「期の途中でも再修正できる能力を構築して、第三次中期経営計画(10~14年度)を達成する」意向を示した。
第二次中期経営計画の最終年度となった10年3月期の業績は、売上目標(2800億円)で15億円、営業利益目標(600億円)で76億円の未達に終わった。
手代木社長は、特に営業利益の未達を重視し、「経営管理の甘さが露呈した」と分析。その上で、「第三次中期経営計画では、アクションプランの中で経営管理を強化する取り組みに尽力して、経営目標を達成したい」と述べた。
また、国内販売については、高脂血症治療薬「クレストール」、ARB「イルベタン」、抗うつ薬「サインバルタ」の最重要戦略品目を含めた八つの戦略品目に、営業リソースを集中して、新薬中心の営業戦略を進めることを改めて強調した。
その一環として、第III相試験段階にあるイルベタンと利尿剤との合剤「S‐474474」の申請を、「12年半ばに予定している」ことを明らかにした。
海外で開発中の抗肥満薬「ベルネペリット」と「オルリスタット」の合剤(第II相試験段階)については、「順調に進んでおり、来年年明け直後の段階で併用試験のデータが出てくる」とした。
未承認薬への取り組みにも言及し、「当社が担当する薬剤は古いものが中心で、ゼロからクリエートするものはない。10億円も20億円もかかるものではなく、費用の面でもコントロール可能な範囲内にあり、社を挙げて取り組みたい」と話した。