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新しい薬剤師像の確立を求めて

2007年1月10日 (水)

 2007年を迎えた。昨年は薬剤師・薬局の将来を左右するような大改革が、次々と断行された。4月には薬学教育6年制がスタートし、6月には医療制度改革関連法、医薬品販売制度見直しなどを柱とする改正薬事法の成立などだ。今年はこれらの具体化、定着を目指す年となろう。

 薬学教育6年制は、04年に医療の高度化・複雑化など、薬剤師を取り巻く環境の大きな変化を受け、薬剤師が医療の担い手としての役割を果たすため、医療人としての教養、医療現場で通用する実践力を培うために導入されることが決まった。国会でも全会一致の賛成が得られ、国民の薬剤師に寄せる期待が大きいことが示された。

 6年制教育は昨年の新入生から行われているが、必修となった6カ月実務実習の円滑な実施に向けて、体制整備が緊急の課題となっている。合わせて共用試験の実施方法確立も重要なテーマとなっており、OSCEやCBTのトライアルなどが精力的に進められている。薬学部、薬剤師会など関係者が協力しながら、望ましい体制を構築してもらいたい。

 一方、医療制度改革では、「調剤を実施する薬局」が改正医療法で規定する医療提供施設として、正式に位置づけられた。92年の医療法改正で、薬剤師が医師や歯科医師、看護師などと同様、“医療の担い手”となったこと以来の大きな改正である。医薬分業などの実績を積み重ね、薬局が医療提供体制の中で一定の役割を担うと評価された結果と言えるだろう。

 医療制度改革では、医療費適正化や新しい高齢者医療制度創設、生活習慣病を中心とした予防対策、地域の診療連携体制の構築など、新しい医療の方向性が打ち出されている。このような新しいシステムの中に、医療の担い手である薬剤師、医療提供施設としての薬局がどのように参画し、国民の期待に応えていくのか、今年はそれが試される年になろう。

 また、新たな医薬品販売制度は、一般用医薬品をめぐる一連の規制緩和論議に終止符を打つものだった。 規制改革推進会議を中心とした“コンビニ販売”“夜間・深夜販売”の問題提起に対し、2度にわたる一般薬の医薬部外品移行、テレビ電話を活用した販売方式の導入などが行われたが、根本的な解決にはほど遠かった。

 そこで、1年半かけて抜本的な見直し作業が行われた結果、副作用等のリスクに従って一般薬を三つのカテゴリーに分類し、各区分と消費者への情報提供・販売体制のあり方をリンクさせると共に、新しい販売専門家である「登録販売者」を導入することになった。現在までに第103類の分類案がほぼ固まり、今年からは登録販売者の試験基準、販売・陳列の方法、外箱への表示内容などの検討が行われることになる。

 こうした一連の改革で、中心に据えられているのは“患者”や“地域住民”だ。医療制度改革が目指している診療連携体制は、病院、診療所、薬局、行政などが一体となった仕組みであり、それぞれの医療提供施設が重要な役割を担うことになる。薬局・薬剤師にも単に“医薬品を提供する”だけでなく、患者の疾病をいかに効率よく管理し、治癒へ導いていくかといった視点が求められる。

 一般薬の販売制度では、スイッチOTCなどの第1類医薬品を扱えるのは、薬剤師だけに限定されたわけだが、それに安閑としてはいられない。登録販売者との違いを、消費者に具体的な形として明示していく必要がある。

 薬剤師にとって今年は、新しい職能、将来像を創り上げるための取り組みが、最大の課題になるだろう。




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