厚生労働省医薬食品局は、「医薬品・医療機器等安全性情報No.270」で、双極用の電極コードの接続プラグが、二股リードで分かれた電気メスの場合、プラグの一つを本体にある単極用の出力端子に、誤って接続するリスクがあるとして、注意を喚起した。
厚労省は6年程前から、誤接続の防止を添付文書で周知するようメーカーに求めてきたが、その後も意図しない通電によって、熱傷を来した事例が1件報告されているという。
今回は医療機関に対し、[1]固定形プラグの使用が推奨される[2]固定形でも端子の間隔が異なる場合があるため使用可能か確認する必要がある[3]二股リードを使用する際には双極用の出力端子に正しく接続‐‐を呼びかけている。なお、厚労省は二股リードの双極用コードの販売を、今年度中に中止するようメーカーに依頼しており、消耗品の電気メスコードは、固定形プラグへ徐々に絞られていく見通し。
このほか今号では、7月に添付文書の改訂を指導した重要な副作用情報の根拠症例を紹介。それによると、この3年間で、アンジオテンシンII受容体拮抗薬のうち、オルメサルタンメドキソミル(年間使用者は約181万人)で1例、テルミサルタン(約190万人)で3例、バルサルタン(約410万人)で4例の、因果関係が否定できない横紋筋融解症が発生していた。
また、抑肝散(約19万人)で間質性肺炎4例、肝機能障害・黄疸3例が発生。販売開始は1986年10月と古い漢方製剤だが、軽度の神経症や不眠症などの治療薬として、近年、売上げが伸びていることが背景にあるのではなかと、厚労省は見ている。