厚生労働省のエイズ動向委員会は13日、今年3月29~6月27日までの約3カ月間に、国内で新たに報告されたエイズ患者が、前期の1~3月よりも35人多い、過去最多の129人だったと発表した。また、4年ぶりに母子感染が1件報告されており、厚労省は「エイズへの関心が薄れている」とし、HIVに関する知識の啓発を呼びかけている。
新規エイズ患者は、女性4人に対し、男性が125人と大半を占めた。感染経路は、同性間の性的接触によるものが68人、異性間性的接触によるものが35人だった。静注薬物によるものも2人いた。年齢別では、特に30代以上に多い傾向が見られた。
また、発症していない新規のHIV感染者数も、前期から36人増の263人いた。男女別では、女性15人、男性248人。感染経路は、同性間性的接触によるものが175人、異性間性的接触によるものが50人。母子感染によるものが1人、静注薬物によるものが2人だった。
患者・感染者が増える一方、検査受診者は減少しており、保健所などでの検査件数は、前年同期比5343件減の3万1691件だった。その要因について厚労省は、昨年の新型インフルエンザ流行などにより、関心が薄れたためと見ている。
自治体が実施する検査や保健所の相談件数も、2008年第4四半期をピークに減少傾向にあり、現在は、06年の水準に低迷している。検査で感染を知る前にエイズを発症し、予防の機会が失われる人が増えており、エイズ動向委員会は「国民の関心が薄れていることが危惧される」としている。
また、4年ぶりに母子感染の報告があったことについて、エイズ動向委員会は、出産前に抗HIV薬を投与し、血中のウイルス量を下げたり、妊娠37週前後に帝王切開するなど、適切な処置を行えば、母子感染は1%以下に抑えられることを周知する必要があるとした。
静注薬物についても、これまでの結果を見ると増加傾向にあることから、「動向を注視する必要がある」としている。