厚生労働省は16日、2009年度の医療費(概算医療費)動向を発表した。それによると、医療保険と公費負担を合わせた昨年度1年間の医療費は、前年度比3・5%増の35・3兆円となり、7年連続で過去最高を更新した。このうち調剤は、投薬日数の増加や高薬価シフトによって、処方せん1枚当たり単価が6・3%、医薬分業の進展で処方せん受け付け枚数が1・5%伸び、トータル7・9%増の5・9兆円となり、医療費総額に占めるシェアは前年度より0・7ポイント増え16・7%に拡大した。
制度改正や診療報酬改定のなかった09年度の医療費は、概ね自然体の伸びとなったが、ほぼ条件が同じだった2年前(07年度)の3・1%増に比べると、若干膨らんだ。稼動日数を補正すると、07年度の3・0%増に対し、09年度は3・5%増で、0・5ポイントの開きがある。
1日当たり医療費は4・1%増の1万3400円で、伸び率は07年度と同水準だったが、近年落ち込んでいる受診延日数が26・2億日で、下げ幅が07年度より0・3ポイント小さい0・6%にとどまった。
なお、稼動日数補正後の調剤の伸びは8・1%で、07年度の8・9%を下回っている。処方せん1枚当たり医療費が6・3%増の8000円で、伸び率は07年度より0・2ポイント大きかったが、処方せん枚数が1・5%増の7・3億枚で、07年度より1・1ポイント増と小幅だった。ただ、入院外の受診延日数は0・8%減っており、依然として医薬分業は進んでいる。
また、1施設当たり医療費は、薬局で6・3%増の1億1778万円。医科病院が4・2%増の21億2423万円、医科診療所が1・7%増の9605万円だった。