厚生労働省は19日、2009年度の「後発医薬品品質確保対策事業」による検査結果報告書を公表した。対象となったアカルボースやアシクロビルなど35成分640品目のうち、2成分3品目が、製造販売承認書に定める溶出規格で不適合となったことが明らかになった。
この事業は、07年10月の「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」に基づき、08年度から行われている。後発品の品質確保の観点から、国の取り組みの一つとして、都道府県などの協力のもと実施している医薬品等一斉監視指導で、検査品目を拡充し、溶出試験等の品質検査を実施すると共に、検査結果を公表している。
対象となったのは、07年3月31日時点で薬価収載されており、経過措置品目や製造が中止された品目などを除いた全品目。検査品については、流通している医薬品の品質を確認するため、各都道府県において卸売業者から入手した。
検査項目は溶出試験、含有試験、放出試験、確認試験、エンドトキシン試験のいずれか、または複数を実施した。各検査項目の試験方法については、日本薬局方や日本薬局方外医薬品規格で規格が定められている場合には、局方または局外規に規定されている検査法を用いた。
その結果、溶出規格を逸脱していたのは、大洋薬品工業の「アンブロキソール塩酸塩15mg錠」、マイラン製薬の「ドロキシドパ100mgカプセル、同200mgカプセル」の3品目で、いずれも既に自主回収を済ませている。
溶出試験を行ったのは30成分591品目。崩壊試験、含量試験、定量法試験、確認試験、エンドトキシン試験の対象となった5成分49品目はいずれも規格に適合していた。
検査指定35成分
▽アカルボース▽アシクロビル▽アズレンスルホン酸ナトリウム▽アテノロール▽アムロジピンベシル酸▽アロプリノール▽アンブロキソール塩酸塩▽イミダプリル塩酸塩▽エチゾラム▽塩酸シプロフロキサシン▽オキサトミド▽オメプラゾール
▽グリベンクラミド▽クロモグリク酸ナトリウム▽ケトチフェンフマル酸塩▽シクロスポリン▽スルピリド▽セチリジン塩酸塩▽セファレキシン▽セフジトレンピボキシル▽セフタジジム▽セフポドキシムプロキセチル▽ツロブテロール
▽テオフィリン▽トリクロルメチアジド▽ドロキシドパ▽バルプロ酸ナトリウム▽フマル酸ビソプロロール▽フルコナゾール▽ブロムペリドール▽ベザフィブラート▽ペルゴリドメシル酸塩▽ベンズブロマロン▽ラニチジン塩酸塩▽ランソプラゾール