医薬品受託製造会社の適正な活動に向け、10月をメドに「日本CMO協会」(JCMOA)が発足することになった。これまで有志会社がCMO勉強会を立ち上げ、様々な情報交換を行ってきたが、契約・補償や技術伝承等の問題を解決するためには、正式な業界団体がCMOビジネスの将来的な発展に必要と判断した。当面は、製剤・包装を手がける受託製造会社30社以上の会員を目標とし、設立準備を進める。
2005年の薬事法改正を受け、製造承認から製造販売承認に移行し、医薬品の全面製造受託が可能になった結果、製造アウトソーシングは大幅に拡大。新たな受託製造ビジネスの発展が期待されてきた。
こうした中で、約3年前から数社の医薬品受託製造会社が集結してCMO勉強会を発足。年2~3回の様々な情報交換を行ってきた。ただ、契約・補償や技術の伝承・維持・発展等の問題を解決し、より発展的にCMOビジネスを進めるためには、正式な業界団体が必要と判断。シミック、武州製薬、佐藤薬品工業、長生堂製薬、ニプロ、目黒化工の6社が発起人となって日本CMO協会の準備委員会を立ち上げた。共同委員長には、シミックの西村憲治氏、武州製薬の笠井隆行氏が就任し、10月メドの設立を視野に準備を進めている。
新たに発足を目指す日本CMO協会は、医薬品の受託製造場面で直面する様々な問題点を解決するため、品質保証を含めた医薬品製造に関する委受託契約、補償のあり方、製造の国際化対応を検討し、委託者と当局への提案を行うことによって、医薬品受託製造業界の発展に貢献することを目的としている。
主な活動内容として、▽医薬品の受託製造業務の適正実施に関する日本CMO協会自主ガイドラインの作成▽補償問題を含む望ましい委受託契約のあり方の研究▽薬事法、GMP及びその他法令に則った公正かつ厳正な医薬品受託製造の推進▽関係行政機関、諸団体との連携・意見具申▽医薬品受託製造に関わるトラブル発生時の相互扶助--など10項目を定めている。
現段階で入会申し込みは10社以内とされているが、最終的には会員30社以上を目標としている。当面は、製剤・包装を手がける受託製造会社を対象に会員を構成する予定。CMO協会の正式発足後、全会員から構成される総会で役員を選出し、会長、副会長を任命して本格的な活動がスタートすることになる。