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“患者”見据え真摯な対応を

2007年1月19日 (金)

 今年も既に半月を過ぎ、各地での新年会もほとんど終了した。薬剤師関係の賀詞交歓会では、多くの関係者から薬剤師、薬剤師会をめぐる環境の厳しさが指摘された。しかし、この数年来ほとんど“同じトーン”であり、現状打破に向けた迫力や切迫感は伝わってこない。薬剤師が奥ゆかしいためなのか、記者自身の感受性の低さが、そう思わせるのか。

 厳しさの焦点は言わずもがな。過去に例を見ない連続3回にわたる調剤報酬を含めた診療報酬のマイナスあるいはゼロ改定だ。四半世紀をかけて、医薬分業に邁進した現在、ほとんどの保険薬局が、生活の糧を調剤報酬から得ているが、利益は年々縮小している。多くの保険薬局の経営は、かなり厳しい状況にあるものと推察される。

 本紙が行っている例年の薬局調査でも、前年に比べて平均売上高は増加したが、過半数の薬局は「売り上げが減少した」と答え、2極分化を窺わせる結果が見られている。また薬剤師数も数年来、4人強でとどまっており、効率的な経営を強いられている模様だ。特に今後とも処方せん枚数の大幅な増加が見込めない分業先進県では、一層厳しい状況にあると思われる。

 本紙調査では昨年4月からスタートした「処方せん様式の変更」についても、半年経過した時点での状況を尋ねた。変更可処方せんは全体の15%程度に上るが、実際に後発医薬品へ変更されたのは1・8%にとどまっている。日薬が一部会員を対象に4、5月分の状況を調査した結果とほとんど差がない。半年経っても、後発医薬品への切り替えは、目に見えては進んでいないといえる。“長期処方せんで苦しむ薬局経営”が指摘されて久しいが、患者の負担感も強まっているはず。それにもかかわらず後発品への切り替えが進まないのはなぜなのか。

 日本薬剤師会の代議員会では“代替調剤”の実現を求める声が聞かれたが、処方せん様式の変更で、実質的に“代替”が認められた結果は「後発医薬品への切り替えはほとんど進んでいない」というものだ。“多くの声”が求めた“代替調剤”とは、誰のためであったのか。確かに状況は単純ではないが、制度改正2年目の今年、それなりの実績が求められよう。医療費負担の削減は患者にとって大きなメリット、ましてや薬剤師という専門家のアドバイスにより安心してメリットを享受できれば、信頼は高まるのではなかろうか。

 今年は来年の調剤報酬改定に向けた準備の年に当たり、夏には参議院選も控えている。また、各種法改正に基づく政省令等への対応も必須だ。“後期高齢者医療制度の大枠”検討の場に加わることができなかった中で、薬剤師・薬局業務の位置づけをどう確保するかは難しい課題であり、薬局の将来を左右する焦点だ。

 他に社会問題的側面も見え隠れするFAX分業や現状に即した会員確保問題、未体験の学生実習の受け入れ体制整備、GE薬使用促進、学薬、OTCの販売体制、調剤報酬など課題は山積している。今年の代議員会は幸いなことに非改選期。“患者に必須な薬剤師システム”構築に向け、真摯で深い討議を望みたい。




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