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【武田薬品】細胞培養で新インフルワクチンを自社製造‐米バクスターと基本合意

2010年09月01日 (水)

 武田薬品は、米バクスターが開発した細胞培養技術を導入し、新型インフルエンザワクチンの自社製造に乗り出し、ワクチン事業の強化を図る。山口県光市にインフルエンザワクチンに特化した生産設備を建設し、2012年半ばには竣工する計画だ。

 これまで同社は、小児用ワクチンの開発・製造・販売を手がける、唯一の国内製薬企業として、事業展開を進めてきた。現在、光工場で自社製造している三種混合ワクチン「DPT」や、麻疹・風疹混合ワクチンなど7品目に加え、他のワクチンメーカーから仕入れた日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチンなど3品目を含めた計10品目を国内で販売。09年度の売上は182億円の実績がある。

 こうした中、同社はバクスターと基本合意し、細胞培養技術を用いたインフルエンザワクチンを自社製造することになった。バクスターが持つ「ヴェロ細胞培養技術」を導入することで、従来の鶏卵培養に比べ、短期間で大量のワクチンを製造することができる。

 既に光工場では、インフルエンザワクチンの研究・少量生産が行える実験用施設が稼動しているが、2012年半ばまでに、量産可能な生産設備を建設する予定。基本的にはH5N1株、H1N1株を用いたインフルエンザワクチンの製造を進め、季節性インフルエンザワクチンの開発も視野に入れる。今後、インフルエンザワクチンの製造体制を確立し、早期の実用化を目指していく。

 将来的には、国内だけでなく、アジアの新興国をターゲットに、海外事業を拡大していきたい考え。同社が販売拠点を置く中国やタイなどに対し、国内で製造したワクチンを輸出し、ワクチンの海外事業にも着手する。

 なお同社は、新型インフルエンザワクチンの開発・生産体制整備に関する日本政府の公募事業(第1次補正予算)に応募していたが、7月6日に厚生労働省から財政支援助成金交付先として選定され、このほど未承認薬等開発支援センターを通じて、交付決定通知書を受領した。助成金交付額は36億円。今後、第2次補正予算の応募に向けた準備を進める方針。

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