厚生労働省は、2010年6月取引分の、医療機関と薬局への納入価格の妥結状況をまとめた。6月単月の妥結率は計28・1%で、08年6月の前回薬価改定時に比べて、約13・4ポイント下回った。中でも、08年度薬価改定時に22・8%だったチェーン薬局(20店舗以上)は、17・3ポイント下回り、5・5%にとどまった。
今回の妥結状況調査は、卸連加盟社54社を対象に行われ、全社から回答を得た。医療機関、薬局を対象に、6月単月の妥結分販売額を販売総額で割り、妥結率を算出した。
その結果、200床以上の大手病院は20・6%と低く、病院の総計も22・3%にとどまった。また、前回薬価改定時の08年6月には、72・8%と高い妥結率を示していた診療所も16・8ポイント下がり、56・0%だった。これに伴い、医療機関の総計も10・6ポイント減の35・3%だった。
薬局では、その他の薬局も前回に比べ、15・2ポイント減の25・4%で、保険薬局の総計は16・1ポイント下がり、20・9%にとどまった。
妥結率が下がった要因について、厚労省医政局経済課は、昨年の医薬品卸大手の決算で、営業利益が大幅減となったことを受け、卸側が薬価差の縮小や、売差マイナスの改善など、従来からの流通改善に向けた取り組みの説明を行った後、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の趣旨、導入意義をユーザーに説明し、理解してもらった上で、本格的な価格交渉を行ったためではないかとしている。