大手プラント会社の日揮は、東京CROの全株式を譲受し、17日付で新会社「日揮ファーマサービス」を発足させると発表した。2007年に約11%の資本参加を行い、医薬品の臨床開発業務に関して共同事業を進めてきたが、当初目的の成果が得られなかったと判断。製造委受託やエンジニアリング支援を含めた日揮のファーマサービス事業と一体化し、CRO事業を再建する方針を決めた。新会社は2015年に売上高100億円を目指すとしている。
同社は、07年に臨床開発から商業生産までを支援する「総合ファーマサービス」事業を開始。さらに事業強化を目的に、東京CROの株式の約11%を取得し、CRO業務の共同事業を手がけてきた。ただ、これまで資本参加の成果が十分に得られなかったことから、東京CROの全株式を取得し、新会社に事業を承継することを決断。CRO業務を拡大し、製造委受託やエンジニアリング支援を含めた日揮のファーマサービス事業との一体化を進める。
新会社は、資本金8000万円。東京CROの全事業を承継し、代表取締役会長には、日揮のファーマサービス事業の責任者を務める渡辺恵市郎GMP技術部長、取締役社長には東京CRO医薬開発本部長の平松信祥氏が就任。日揮主導でCRO業務を含めたファーマサービス事業を展開していくことになる。
日揮のファーマサービス事業と東京CROの売上規模は合算で約40億円。新会社では15年に売上高100億円を目指す計画だ。
経営難が伝えられていた東京CROは、5月にCSO子会社の東京メディカルサポート、6月にデータマネジメント・統計解析事業を譲渡し、CRO事業の再建を進めていたが、最終的に大株主の日揮に買収される形で決着した。