仏サノフィ・アベンティスは16日(現地時間)、米バイオ医薬品企業のジェンザイムを総額201億ドル(約1兆6800億円)で買収すると発表した。サノフィは昨年、総額185億ドルで買収を提案。ジェンザイムが拒否したことから、敵対的買収に踏み切っていたが、最終的に買収額201億ドルで決着した。
買収は1株当たり74ドルの現金で行い、ジェンザイムが開発中の多発性硬化症治療薬「アレムツズマブ」などの売上に応じたマイルストーンも株主に支払う。2011年第2四半期には買収を完了させる予定。
多角化を進めるサノフィは、チェコの大手後発薬企業「ゼンディバ」、メキシコの「ケンドリック」、ブラジルの「メドレー」を買収し、後発薬で新興国へのリーチを拡大。その一方新薬では、抗癌剤に強い米バイオ企業「バイパー・サイエンシズ」、眼科領域に強い仏バイオ企業「FOVEA」を相次いで買収するなど、バイオ医薬品分野の強化を進めていた。
さらに今回、ジェンザイムの買収によって希少疾患分野を取り込み、新たな領域に進出することで成長の確保を狙う。
ジェンザイムの10年度売上高は40億4800万ドル(約3400億円)。サノフィの10年度売上高303億8400万ユーロ(約3兆4500億円)で、両社を単純合算すると、約4兆円規模の巨大な製薬企業が誕生することになる。