日本医師会は、政府の行政刷新会議の規制・制度改革の動きに対する見解を発表した。一般薬のインターネット等販売規制の緩和について、「利便性を重視した規制改革は、慎重な対応をすべきである」と指摘し、「薬剤師が責任をもって情報提供すると共に、必要に応じて医師への受診勧奨をすべき」との認識を示している。
健康食品の販売にインターネットが利用されていることにも着目し、「広告表示方法によっては、購入者が医薬品との区別がつかない恐れがある」「健康食品等と医薬品とは、相互作用を起こすリスクもある」と警告している。
また、禁止事項を規定する現行の広告規制を、改めて原則自由化する方向性については、「現行の事前規制を守るべきであり、事後チェック型のネガティブリスト方式には反対」と明言。医療用医薬品の適正広告基準の見直しには、「規制の緩和は認められない」と異議を唱え、「患者・国民を誤解させ、医療現場を混乱させることにつながる」「医師が最適な治療法を判断し、インフォームドコンセントの上で処方、投薬するという医療のあり方を、否定することにもなりかねない」と指摘している。
このほか、調剤基本料の一元化やリハビリ日数制限の撤廃は、中央社会保険医療協議会で議論し、結論を得るべきとの考え方を示した。
一方、医療行為の無過失保障制度の導入と、高額療養費制度を見直して長期療養患者の負担を軽減する方向性については、賛同している。