大日本住友製薬は、解析機能付き多機能モニタ心電計「レーダーサーク」用伝送システムを新発売した。同システムは、救急車搬送時や災害時の救命救急医療の際に、患者の状態を携帯電話回線(フォーマ回線)とインターネットを介していち早く病院に伝えることを目的としたもの。大日本住友製薬が開発し販売中の解析機能付き多機能モニタ心電計「レーダーサーク」の伝送装置として、NTTコムウェアのモバイル・テレメディシン(超小型Linuxサーバ「L-Box」)を採用。「RC送信装置」「RC受信ソフト」を「レーダーサーク伝送システム」として発売した。
主な特徴は次の通り。
[1]搬送中でも停止することなく、心臓マッサージ中でも除細動実施と併用時でも心筋梗塞か否かを診断できる12誘導心電図を測定し迅速に伝送することが可能[2]インターネット環境(固定IPアドレス必要)があればどこでも受信が可能。特別な受信装置や専用モニタが不要で通常のパソコンで受信可能なため、低価格のシステム構成を実現[3]救急車内の動画像を送受信可能で、バイタルサイン(心拍数、SpO2、血圧)も同時に伝送可能[4]データ暗号化により、患者の情報を確実に保護[5]複数の病院、また、病院内の複数のインターネット環境にあるコンピュータに情報を同時提供、併せてテレビ会議などのコラボレーション機能も提供――など。
突発的な衝撃・振動に強い「レーダーサーク」と「レーダーサーク搬送システム」の組み合わせは、救急車搬送時や災害対応など救命救急医療分野で寄与するものと期待されている。
価格はRC送信装置230万円、RC受診ソフト20万円、レーダーサーク本体390万円。レーダーサーク本体の売り上げ目標は年間203億円。