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【厚労省】新薬13成分を薬価収載‐アルツハイマーで2種類、初の経口抗凝固剤も登場

2011年03月03日 (木)

 厚生労働省は11日付で、新薬13成分31品目を薬価収載する。内訳は、内用薬8成分25品目、注射薬4成分5品目、外用薬1成分1品目。これまでアリセプトしかなかったアルツハイマー型認知症用薬に、メマリーとレミニールの2種類が加わるほか、直接トロンビン阻害作用を有する、初の経口抗凝固薬となるプラザキサが登場する。2日の中央社会保険医療協議会で了承した。

 ▽メマリー錠5mg、同10mg、同20mg(第一三共)=有効成分はメマンチン塩酸塩で、中等度・高度アルツハイマー型認知症の進行抑制を効能・効果とする。類似薬効比較方式mgで算定し、補正加算は付かなかった。

 市場規模予測は初年度8000人の5000万円、ピーク時の10年目が40万人の471億円。

 ▽レミニール錠4mg、同錠8mg、同錠12mg、同OD錠4mg、同8mg、同12mg、同内用液4mg/mL(ヤンセンファーマ)=有効成分はガランタミン臭化水素酸塩で、軽度・中等度アルツハイマー型認知症の進行抑制を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定し、補正加算は付かなかった。外国平均価格調整により薬価を引き上げた。

 市場規模予測は初年度2万6000人の30億3000万円、ピーク時の9年目が28万1000人の328億円。

 ▽エディロールカプセル0・5μg、同0・75μg(中外製薬)=有効成分はエルデカルシトールで、骨粗鬆症を効能・効果とする。

 類似薬効比較方式mgで算定し、国内臨床試験で既存薬に対する、非外傷性新規推体骨折予防効果の優越性が示されたことを評価し、有用性加算IIを適用した。

 企業は、前腕骨骨折頻度の発生頻度を減少させるほか、ビスホスホネート(BP)系薬剤に伴う顎骨壊死の副作用リスクや、服薬制限によって、治療機会が失われる患者に、新たな選択肢をもたらすこと、骨代謝とカルシウム代謝の改善効果を合わせ持つため、BP系薬剤と活性型ビタミンD3製剤の併用を代替できるなどを理由に、加算率15%を希望した。しかし、エビデンス不足で10%の上乗せにとどまった。

 市場規模予測は初年度35万人の88億円、ピーク時の10年目が142万人の357億円。

 ▽プラザキサカプセル75mg、同110mg(日本ベーリンガーインゲルハイム)=有効成分はダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩で、非弁膜症性心房細動患者の虚血性脳卒中と、全身性塞栓症の発症抑制を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、初の経口直接トロンビン阻害剤で、血液凝固能のモニタリングが不要になるなど、ワルファリンと比べて有用性が高いことを評価し、営業利益率に20%を上乗せした。 市場規模予測は初年度4000人の6億円、ピーク時の10年目が21万8000人の340億円。

 ▽フェブリク錠10mg、同20mg、同40mg(帝人ファーマ)=有効成分はフェブキソスタットで、痛風、高尿酸血症を効能・効果とする。

 原価計算方式で算定し、既存薬のアロプリノールの場合には、腎機能障害のある患者で減量を考慮する必要があったが、中等度までの腎機能低下患者に、用量調節せずに投与できることを評価し、営業利益率に10%を上乗せした。

 市場規模予測は初年度5万人の14億円、ピーク時の10年目が71万5000人の198億円。

 ▽シュアポスト錠0・25mg、同0・5mg(大日本住友製薬)=有効成分はレパグリニドで、食事療法や運動療法、α‐グルコシダーゼ阻害剤で効果不十分な2型糖尿病の、食後血糖推移の改善を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定し、国内治験で既存薬に比べて、HbA1cの変化量に有意な改善を示したことを評価し、有効性加算IIで5%の加算を付けた。

 市場規模予測は初年度1万人の2億円、ピーク時の5年目が12万人の49億円。

 ▽ソニアス配合錠LD、同HD(武田薬品工業)=有効成分はピオグリタゾン塩酸塩とグリメピリドで、2型糖尿病を効能・効果とする。

 類似薬効比較方式Iの内用配合剤の特例を適用し、ピオグリタゾンの単剤である同社のアクトスの0・8倍の価格と、グリメピリドの後発品の最低価格の合計で算定したところ、アクトスの薬価を下回ったため、アクトス単剤と同額となった。

 市場規模予測は初年度11万人の4億円で、ピーク時の6年目が35万人の131億円。

原価計算は5成分に適用

 ▽アクレフ口腔粘膜吸収剤200μg、同400μg、同600μg、同800μg(田辺三菱製薬)=有効成分はフェンタニルクエン酸塩で、強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、営業利益率の上乗せはなかった。

 市場規模予測は初年度1万人の5億円、ピーク時の4年目が5万人の26億円。

 ▽アリクストラ皮下注5mg、同7・5mg(グラクソ・スミスクライン)=有効成分はフォンダパリヌクスナトリウムで、急性肺血栓塞栓症と急性深部静脈血栓症の治療を効能・効果とする。静脈血栓症の発症抑制の適応を持つ、同製品の別規格との規格間調整で算定した。

 市場規模予測は初年度3560人の1億1000万円、ピーク時の10年目が1万9200人の5億7000万円。

 ▽ロミプレート皮下注250μg調製用(協和発酵キリン)=有効成分はロミプロスチム(遺伝子組み換え)で、慢性特発性血小板減少性紫斑病を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、営業利益率の上乗せはなかった。

 市場規模予測は初年度200人の6億円、ピーク時の5年目が900人の32億円。

 ▽ステラーラ皮下注45mgシリンジ(ヤンセンファーマ)=有効成分はウステキヌマブ(遺伝子組み換え)で、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬と関節症性乾癬を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定し、補正加算は付かなかった。

 市場規模予測は初年度100人の2億4000万円、ピーク時の8年目が6000人の133億円。

 ▽ビダーザ注射用100mg(日本新薬)=有効成分はアザシチジンで、骨髄異形成症候群を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、営業利益率に20%を上乗せした。海外治験で通常治療群と比較し、有意な生存期間の延長が認められ、国内治験で血液学的改善効果が認められ、国内外のガイドラインが高リスク患者の第一選択薬、低リスク患者の第一、二選択薬に位置づける有効性の高い国内初の医薬品であることを評価した。

 市場規模予測は初年度100人の5000万円、ピーク時の6年目1900人の52億円。

 ▽オルベスコ100μgインヘラー56吸入用(帝人ファーマ)=有効成分はシクレソニドで、気管支喘息を効能・効果とする。小児用量の追加に伴う保険適用で、同製品の別規格との規格間調整で算定し、小児加算10%が付いた。

 市場規模予測は初年度7000人の1億円、ピーク時の10年目が5万3000人の8億円。

ソニアス、処方制限から除外

 また同日の中医協では、2型糖尿病治療の新たな内用配合剤のソニアスを、新薬の14日処方制限の対象から除外することや、薬価が高額な乾癬治療薬のステラーラについて、DPCの包括評価から同剤使用患者を外すことも決めた。

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