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【製薬企業・卸各社が入社式】東日本大震災受け、医療関連産業の社会的使命訴える

2011年04月05日 (火)

 製薬企業・医薬品卸各社の入社式が1日に行われた。3月11日に発生した東日本大震災を踏まえ、各社のトップからは相次いで、被災者に対するお見舞いや哀悼の意が示された。また、新入社員に対しては、医療関連産業の社会的使命の重さや社会への貢献を呼びかけるメッセージが目立った。

製薬企業

 ◇武田薬品

 長谷川閑史社長は、「パンドラの箱の神話にまつわるいくつかの説で、幾多の苦しみの最後に『希望』が出現して、人類は絶望を克服するという『希望説』を、私は信じて疑わない。230年にわたり命に寄り添ってきた企業として、一人ひとりが大きな使命を担って、社会に貢献するために、ともに進もう」と呼びかけた。

 ◇第一三共

 中山讓治社長は、「患者に医薬品を届け、病める人を救うことへの大切さを胸に刻み、それを担うことに大いなる誇りを感じてほしい」と述べ、「売上・利益面でのナンバー1のみならず、社員のモラルの高さ・高潔さの面でも、業界を代表するものであってほしい」と、高い意識を求めた。

 ◇アステラス製薬

 野木森雅郁社長は、「日本の明日のために、人々の健康に貢献していくことがアステラスの役割」と強調。「『誠実さ』『高い目標への挑戦』『患者への貢献』の三つに取り組んでいただきたい」と激励した。

 ◇エーザイ

 内藤晴夫社長は、今年度から中期経営計画「はやぶさ」がスタートすることを受け、「『はやぶさ』の精神は、絶対にあきらめないということ」と紹介。その上で、「困難な状況に陥ったとしても、エーザイグループ全員で共に歩み、絶対に諦めない精神で活躍されることを期待する」と語った。

 ◇大塚ホールディングス

 樋口達夫社長は、「大塚のDNAである『ものづくり企業』であることにとことんこだわり、独創的な製品を創出し提供することで、自らが果たすべき役割を真剣に考え、日々の業務に全力で取り組み、会社と共に前進してほしい」とのメッセージを送った。

 ◇田辺三菱製薬

 土屋裕弘社長は、田辺三菱製薬工場・足利工場で起きた品質管理問題について、「入社した皆さんやご家族の方々に、大変なご心配とご迷惑をおかけすることになった」と謝罪。製薬企業の社会的使命を達成していくために、「社員全員が、『考える社員』『行動する社員』『気の利いた社員』になっていただきたい」と語った。

 ◇塩野義製薬

 手代木功社長は、社会人の心構えとして、「社会人としての礼節を守る」「時間の大切さを認識する」「人生、一生勉強である」と、3点を訓示。「世界のシオノギを創り上げていく戦力として、貢献していただけることを楽しみにしている」と期待を寄せた。 

 ◇大日本住友製薬

 多田正世社長は、今後のグローバル化に向け、「自分の頭でものを考え、自分の言葉で意見を述べ、自分一人でも行動できる社員」が必要と指摘。そのために、「一方で他人から学びながら、他方で自らの頭で考え、自発的に行動できる個人を確立する」ことを求めた。

 ◇協和発酵キリン

 松田譲社長は、「地域を問わず積極的に海外へ出て様々な経験を積み、新たなイノベーションを起こす気概や挑戦者魂を常に持ち続け、社会の要請に応えていこう」と呼びかけた。

 ◇小野薬品

 相良暁社長は、「今年度から成長軌道に転じる。新入社員諸君の瑞々しい力が、そのエネルギーになることを大いに期待したい」と語った。

 ◇大正製薬

 上原明社長は、「明日の自分は、今日何を考え、どのような行動をとるかの結果」と述べ、問題意識を持って取り組むことが、成長につながるとの考えを強調した。

 ◇日本新薬

 前川重信社長は、「皆さんのパワーを、これからの日本の復興、そして日本新薬のさらなる成長のために生かし、ポジティブ思考を持って大いに活躍してほしい」とメッセージを送った。

 ◇ツムラ

 芳井順一社長は、「いただいた利益をどう社会に還元し、人々のお役に立てるかを考え、実現していくことが企業に求められる。そのことを十分理解し、仕事に取り組んでほしい」と語った。

医薬品卸

 ◇メディセオ

入社式であいさつする渡辺メディセオ社長

入社式であいさつする渡辺メディセオ社長

 渡辺秀一社長は、被災地の社員を激励するため、前日まで訪れていた岩手県釜石市の生々しい状況を報告。「大震災は、医薬品卸が何をすべきかを改めて考える機会となった。卸が担う医薬品の安定供給のために、全国整備を急いでいる当社のALCは、良好な物流アクセスと共に、自家発電で全ての業務を遂行できる。医薬品卸が何をすべきかを追求した結果だ」と話した。

 新入社員へは、「人の命の大切さを感じたと思う。皆さんが医療に関わるこの企業に入ったことは、人の命や健康に役立ちたいとの思いを持っているからだと思っている。われわれは命を守ることに大きく貢献している。優しい心をもった54人が新たに加わったことは大変嬉しい。卸が何をすべきか、一緒に築き上げていこう」と訓示した。

 ◇スズケン

 入社式は、犠牲者への黙祷に続いて行われた。あいさつした別所芳樹会長は、被害状況や対応策を報告すると共に、「被災地の社員は、不自由な生活環境の中でも、医薬品をお届けする社会的使命を果たそうと、懸命に努力してくれた。頭が下がる思いだ。また、各地からグループ社員が同じ思いで被災地、物流センターに入ってくれた。私は、多くの素晴らしい社員に恵まれ、日本一幸せな会長だと思っている」と社員に謝辞を述べた。

 新入社員に対しては、「医療に関わる仕事は、場合によっては命を懸けても、社会的使命を果たさなければならない大変辛い仕事である反面、感動を与える、一生をかけて悔いのない誇りのある仕事」だと強調。「皆さん一人ひとりがスズケングループの代表としての、誇りと責任をもった行動をして、全員がワクワクするような未来を描いてもらいたい」とメッセージを送った。



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