
手代木氏
日本製薬工業協会は18日、都内で総会を開き、新会長に副会長の手代木功氏(塩野義製薬社長)を選出した。長谷川閑史会長(武田薬品社長)の経済同友会代表幹事就任に伴い、任期途中での交代となった。手代木新会長の任期は1年。長谷川氏は引き続き、副会長を務める。
長谷川氏は、昨年の任期満了に伴う役員改選で、会長に選出されたが、4月に経済団体の経済同友会代表幹事に就任したことから、業界団体のトップを兼務することは難しいと判断。任期を1年残して、製薬協会長のバトンを手代木副会長に引き継ぐことにした。
退任に当たって、総会であいさつに立った長谷川氏は、「私事で後ろ髪を引かれる思いだが、会長として、業界のエゴではなく、国民の視点に立って様々な提言活動を行ってきたつもりだ。短い1年だったが、手代木新会長は立派な後継者として、安心して任せられる。今後も副会長として業界に協力し、役割を果たしていきたい」と述べた。
総会後の記者会見で川邊新専務理事は、長谷川氏の退任について、「発言力の高い会長だったので、業界としても残念」とする一方、「製薬業界の代表が経済団体のトップを務めることで、医療や医薬品の重要性を認識してもらえる機会になるのではないか」と述べ、経済同友会代表幹事としての活動に期待感を示した。
新会長に就任した手代木氏は、1959年生まれの51歳。82年に東京大学薬学部を卒業後、塩野義製薬に入社。経営企画部長、専務執行役員医薬研究開発本部長などを経て、08年4月から代表取締役社長を務めている。