◆伝統医学の国際的標準化への取り組みで、「中医学」を国際標準にしようとする中国の動きがある。今月末に開かれる和漢医薬学会学術大会でも、その話題が取り上げられる
◆国内伝統医学の流れは▽曲直瀬道三の後世派▽吉益東洞流の古方派▽浅田宗伯流の折衷派▽中医学派の方法論――に大別され、臨床家はそのいずれかに軸足を置くが、他を排除せず、組み入れた実践が行われている
◆これらは、もともと中国伝統医学が源だが、現在の中医学とは異なった日本独自の漢方医学として発展した。特に、方証相対が骨格で、腹診の重視、口訣、保険適用でエキス剤が主流、一元化された医師免許の下で運営されているのも他国にない特徴だ
◆「中医学」国際標準化の提案を容認できない理由は、「単なる学問の標準化ではなく、教育システムと免許制度、生薬国際取引など広汎な内容を含むため」(寺澤捷年JLOM前議長)との考えがある。経済問題を背景とする覇権主義とも捉えられるだけに、この動向を注視していくべきだろう。
容認できない「中医学」の国際標準化
2011年08月08日 (月)
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