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【糖尿病】健診で「要治療」も放置が4割‐健康日本21推進フォーラムが調査

2011年8月15日 (月)

 健康日本21推進フォーラムは、健康診断を受けた人が、糖尿病をどのように把握しているのかを知るために行った「健診後の受診率・受療率調査」結果を公表した。それによると、「要治療」と判定されたにもかかわらず、受診しない、受診しても治療しない“放置群”が4割にも達し、30歳代では6割近くなることが明らかになった。また、治療に関しても誤解が多い実態が浮き彫りとなった。

 糖尿病は年々増加の一途をたどり、厚生労働省調査で日本の糖尿病患者は推定890万人とされ、人工透析の原因となる糖尿病性腎症などの合併症の増加は、深刻な社会問題となっている。そこでフォーラムでは、自覚症状がないために放置されがちな糖尿病の早期診断と、受療継続の重要性を啓発することを目的に、調査を行った。

 調査は、過去1年間に受診した健診で、血糖値が高く「要治療」と判定された男女500人を対象に行われた。

 それによると、健診で血糖値が基準値よりも高く、「要治療」と判定された後、医療機関を「受診した」人は77%だった。性別で見ると、女性の受診率が若干高く、男性は4人に1人(26%)が受診していなかった。また、年代別では、30歳代の未受診率が高く、41%に達している。

 医療機関を受診した人に、糖尿病の治療を始めたかを聞いたところ、「治療を始めたが、現在はしていない」「まだ治療を始めていないが、いずれ始めようと思っている」がいずれも9%で、「治療を始めるつもりはない」も2%あり、非受療者が20%占めた。それに未受診者と合わせると、約4割(39%)が放置している現状が明らかになった。特に、30歳代では“放置群”が58%に上っている。

 現在行っている糖尿病の治療方法としては、「薬物療法(経口薬)」が68%と最も多く、次に「食事療法」63%、「運動療法」53%と続き、「薬物療法(インスリン療法)」は23%だった。

 どの治療が望ましいかについては、「運動」と答えた人が70%と最も多く、続く「食事」の47%を大きく引き離した。「薬物療法」に関しては、「経口薬」が30%、「インスリン療法」が15%と低く、多くの人は薬物療法をできれば避けたいという意識を持っていることが窺える結果だった。

 インスリン注射に対する意識としては、「糖尿病治療の最後の手段」と考えている人が約半数(51%)を占めた。特に、60代では3人に2人(65%)を占め、インスリン療法を始めるのは糖尿病が進行し、他に治療の選択肢がなくなってからといった、誤った認識が高齢者を中心に根強いことが分かった。

 糖尿病に関する知識について、正しいと思うかどうかを聞いたところ、最も誤答率が高かったのは、「糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気(正)」の16%で、「分からない」を含め、病気の基本的な理解ができていない人が3割近く(28%)に上っている。次いで誤答率が高かったのは、「日本人は、糖尿病になりやすい(正)」の14%だった。

 また、最も正答率が高かったのは、「糖尿病を放置していると、腎臓、眼、神経などに障害が出やすい(正)」が88%だったが、糖尿病が人工透析や失明の原因の第何位だと思うかを聞いたところ、「1位」とした人はいずれも3割弱で、合併症についての認識も漠然としていることが窺える結果だった。

 インスリン療法についての知識では、「インスリン注射は、毎食前に行わなければならない(誤)」の正答率は、2割に満たず(18%)、「インスリン療法を早期から受けると、糖尿病の合併症予防に役立つ(正)」も半数以下(44%)の正答率でしかなかった。インスリン療法は毎食前に行う面倒なものとして認識され、その意義についての認識がいまだ乏しいことが明らかになった。

低いBOTの認知度

 ここ数年で急速に普及してきた糖尿病の治療法「BOT」(経口血糖降下薬に1日1回の基礎インスリン製剤を組み合わせる併用療法)については、内容認知者は1割に満たず(7%)、60歳代では皆無だった。ただし、20歳代では、内容認知者が23%、名称認知者が35%で、6割近くが認知しているという結果だった。

 開業医の立場からBOT普及に取り組んでいる、蒲田医師会理事の辛浩基氏(しんクリニック院長)は、「糖尿病の治療は運動と食事が基本で、薬物療法では新しい薬が出るたびに話題になるが、実際は経口薬だけでは効果が認められず、高血糖を放置する結果となっている例も少なくない。つまり、受診も受療もしていない“受診・治療放置群”に加え、受療しても血糖コントロール不良のまま推移する“コントロール放置群”が存在している現実がある」と注意を促している。

 また、「経口薬で血糖コントロールが悪いときに、1日1回で済む基礎インスリン製剤の併用に早期に踏み切るBOTが、ここ数年、日本でも急速に普及してきている。基礎インスリン製剤を早期に使い、膵臓のインスリン分泌を休ませることで、膵臓の機能が回復し、結果的にインスリンを止めることができる。インスリンへの抵抗感は特に高齢者で根強いが、治療の選択肢が増えていることを知ってほしい」ともコメントしている。




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