◆「薬剤師の職能拡大というスローガンをよく耳にするが、職能拡大には責任拡大もセットになることを忘れてはいけない」。先日取材した大学教員から聞いた言葉が、印象深かった
◆医師の業務負担軽減や医療の質向上を図るため、国はチーム医療の推進に取り組んでいる。各医療職にとって今は、職能を拡大する絶好のチャンスだ。しかし、職能が広がればそれだけ責任は重くなる。逆から見れば、責任を負うからこそ職能が広がるといえる
◆薬剤師の責任といえば、医師への疑義照会を怠り、肺炎治療薬の過量投与を見逃した病院薬剤師の過失を認める東京地裁の判決が、今年2月にあった。現在の職能の範囲内でも、医療裁判で薬剤師の責任が問われる時代だ
◆来春の第1期生卒業を間近に控え、薬学教育6年制を経た薬剤師の役割や待遇が話題に上ることが多い。薬剤師は、持てる能力を医療の中でさらに発揮できるはず。職能をどんどん拡大してもらいたい。ただ、その実現は、責任を取る覚悟があってこそだ。全てはそこから始まる。
職能拡大は責任拡大
2011年08月19日 (金)
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