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給与問題は薬剤師を映す鏡か

2011年9月21日 (水)

 今月2日に発足した野田内閣の小宮山洋子厚生労働相が13日、日本薬剤師会を訪問。日薬が当面する7課題への対応を要望した中で、調剤報酬や6年制薬剤師の処遇については、改善に向け努力することを約束したという。

 特に日薬等では、6年制薬剤師に見合った別建ての俸給表設置を求めていたが、既に人事院の尾西雅博給与局長が、8月初旬の衆院厚生労働委員会で樋口俊一議員(民主)の質問に答え、「新設は困難」と答弁しており、現「医療職二」での格づけに焦点に移っているようだ。

 この衆院厚労委で細川律夫前厚労相が「今の俸給表では、余りにも公平でない」との認識を示している。小宮山厚労相も児玉孝日薬会長らとの短い接見で「6年制になって給与が同じとは考えられないので、そこは一生懸命頑張らさせていただきます」と発言。

 最低限、2年間の違いを反映した医療職二での格づけを約束した形だが、蓋を明けたら単に2年分の上乗せで幕引きしてしまう可能性もあり得る。

 尾西人事院給与局長の答弁以降、「独立した俸給表の新設は不可能」との見方が強まる中で、日薬定例会見での「別建ての俸給表は諦めたのか?」との質問に、幹部は「まあ……」と歯切れも悪く、諦めムードだ。

 確かに、俸給表をめぐる状況として、国立病院の法人化や国立病院の独法化によって、対象となる薬剤師は130人程度にまで減っているという。その中で単独区分を設けるのは難しい、とする人事院の言い分も、相応の説得力があるのは事実。

 ただ、そもそも薬剤師の俸給表として制定された区分は、必ずしも4年制大学の卒業を条件としない医療技術職に適用されている。日薬等の言い分としては、そのことが根本的な問題で、さらに現時点で初任給が看護師に劣っていることも問題視していた。

 本紙が調剤薬局チェーンに実施したラフな調査結果によれば、業界の中では高めに設定されているドラッグ系を含めた初任給が、単純平均で26万4000円。“中央値”は26~28万円といったところ。

 民間との開きはこれまでも指摘されてきたことで、今さらだが、本質は病院薬剤師と保険薬局薬剤師の給与の格差でもある。この点についても、この際、配慮がされるべきだろう。

 その一方で、気になるのは医療安全における薬剤師の役割だ。今年だけでも複数件の調剤過誤、事故が起きた。薬物療法の安全を守るべき薬剤師によって、業務上過失致死の容疑での書類送検まであった。基本的な確認を怠ったためだという。

 そのせいか、各地で生涯学習・研修、システムの話題が花盛りだ。ただ、研鑽の成果とは、医療安全の担保の実践。その結果で患者・国民の信頼、尊敬が得られ、次いで相応の処遇だ。給与問題は薬剤師の通信簿にも見える。




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