日本イーライリリーと日本ベーリンガーインゲルハイム(BI)は、共同販促中のDPP‐4阻害薬「トラゼンタ」(一般名:リナグリプチン)について、両社共同で立ち上げた「トラゼンタブランドチーム」を通じて、一体化した情報提供を進め、最大化を目指していく。
両社は1月に、糖尿病領域でグローバルを対象とした戦略的提携契約を締結し、トラゼンタをはじめ、BIが開発中のSGLT2阻害薬「BI10773」、イーライリリーが開発中の基礎インスリンアナログ「LY2605541」「LY2963016」の開発で協力することになった。また、イーライリリーが開発中の抗TGF‐βモノクローナル抗体に関しても、共同開発・販売のオプション契約を結んだ。
国内では9月、BIが提携第1号製品となるトラゼンタを発売した。今後、糖尿病領域で実績のあるイーライリリーが専門医、呼吸器・循環器領域を強みとするBIが開業医に情報提供を行い、両社共同の「トラゼンタブランドチーム」を立ち上げ、情報共有などで連携を密にしながら、競争が激しいDPP‐4阻害薬市場で早期浸透を図る。
18日に記者会見したイーライリリーの綱場一成糖尿病・成長ホルモン事業本部本部長は、「2社が一つのブランドチームを組むのは、共同販促でもあまり前例がないこと」とした上で、「両社が提携することにより、糖尿病領域で広範な治療選択肢を提供できる」と述べた。