厚生労働省は17日、全国の470定点医療機関を対象とした感染症動向把握で、薬剤耐性アシネトバクター感染症の届け出が、2月から8月までに累計11件あったことを公表した。月別では、2月が岩手県の医療機関から1件、3~4月がゼロで、5~6月はともに愛知県から1件ずつ、7月は愛知県から3件、8月は愛知県から4件と三重県内から1件の計5件となっている。
薬剤耐性アシネトバクターは、昨年9月に帝京大学病院で死亡を伴う集団院内感染が顕在化したことを受け、厚労省が法定の第5類感染症に指定した。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症などと同じ枠組みによる定点把握が今年2月から始まっている。
広域β‐ラクタム剤、アミノ配糖体、フルオロキノロンの3系統の薬剤耐性を持つアシネトバクター属菌の感染症が発生すれば、月単位で報告することになっている。