ドラッグストア大手のグローウェルホールディングスは今期(2012年8月期)、社名を「ウエルシア」に変更する。社名変更によって、日本から世界へアピールできるようなブランドに育成していきたい考え。鈴木孝之会長は、「社名変更の大きな目的はブランドの強化で、ウエルシアというブランドを強化して、さらなる発展を目指していきたい。これからの時代は、ブランドが非常に大切だと思っている。ウエルシアというブランドを押し出していくことによって、さらなる躍進ができると考えている」と強調する。二桁の増収増益となった前期に引き続き、今期も「ドラッグ&調剤」を核としたビジネスモデル推進に取り組み、売上高3000億円の達成をはじめ、二桁の増収増益を目指す。
グローウェルHDの前期連結業績(10年9月1日~11年8月31日)は、売上高2708億1600万円(前期比13・4%増)、営業利益108億6400万円(41・6%増)、経常利益113億9000万円(39・8%増)、当期純利益45億4400万円(28・9%増)と、売上、利益いずれも二桁の伸長となった。
「ドラッグ&調剤」を中心としたビジネスモデルの推進に注力すると共に、消費者のニーズに対応する商品戦略の推進、販管費等のコスト削減に取り組み、既存店も好調に推移した。新規出店は、グループ全体で60店舗(閉店は24店舗)。内訳は、ウエルシア関東および子会社が28店、高田薬局が13店、寺島薬局が11店、イレブンが8店。これにより、前期末(8月末)におけるグループ店舗数は696店舗となった。
グローウェルグループでは、ビジネスモデル推進施策の柱に、調剤併設店(かかりつけ薬局)の増加を掲げているが、前期末の併設率はグループ全体で67・1%と、10年8月末時点よりも2・7ポイント増加した。会社別の併設率は、ウエルシア関東79・0%、高田薬局58・3%、寺島薬局56・9 %、イレブン33・8%。
品目別売上高は、医薬品・衛生介護品・ベビー用品・健康食品が706億4100万円(8・9%増)、調剤が238億9200万円(31・8%増)、化粧品が506億4100万円(10・3%増)、家庭用雑貨が391億0100万円( 14 ・7%増)、食品が629億1500万円(15・7%増)、その他が236億1700万円(10・7%増)となった。中でも調剤が好調な伸びを見せ、売上高構成比においても8・8%と、前年同期から1・2ポイント増加した。
今期(12年8月期)の新規出店は91店舗を計画。内訳は、ウエルシア関東46店で、高田薬局、寺島薬局、イレブンはいずれも15店としている。
このほど都内で開いた決算説明会で、高田隆右社長は「出店に関して、これまではウエルシア関東に“おんぶに抱っこ”という面もあったが、高田薬局、寺島薬局、イレブンも、それぞれの足腰が強化されてきた。ウエルシア関東に頼るだけでなく、ウエルシア関東の計画が未達の場合にも、各社がさらに出店を増やすことによって、全体で91店の出店を確保したい」と述べた。調剤併設店についても、前期467店から、今期には560店以上、併設率を70%以上に増やしていくとの考えも示した。
今期の通期連結業績は、売上高3000億円(10・8%増)、営業利益121億円(11・4%増)、経常利益126億円(10・6%増)、当期純利益55億円(21・0%増)と、二桁の増収増益を見込む。