厚生労働省が22日に公表した、2010年度の保険医療機関、保険薬局に対する指導・監査の実施状況によると、保険指定の取り消し処分を受けた薬局は09年度に続いてゼロだった。また、処分を出す前に廃業したり、自主的に登録を抹消するなどした「取り消し相当」の薬局は2施設だった。
厚労省は10年度、調剤報酬に絡む個別指導を1321薬局(薬剤師1698人)、新規指定個別指導を2263薬局(2721人)、集団的個別指導を3668薬局に実施した。
指定を取り消した医療機関や、医師の数も公表。個別指導を行った4061の医療機関や薬局のうち、159施設、435人に監査を行ったところ、指定を取り消した医療機関は11施設(09年度比同数)、指定取消相当の医療機関も11施設(6施設増)だった。また、登録を取り消した医師等は13人(2人減)で、登録取消相当の医師等は7人(6人増)だった。
不正内容としては、架空請求、付増請求、振替請求、二重請求がほとんどを占める。医療機関の取消、取消相当のきっかけは、保険者や医療機関の従事者、医療費通知に基づく被保険者などからの通報が12件で、件数の半数以上を占める。
不正請求の返還金額は43億4000万円(指導で27億3000万円、監査で16億1000万円)で、前年度より約13億円増えた。