大阪府薬務課は23日、一般用漢方製剤などを製造販売する東洋漢方製薬(本社大阪府富田林市、永井藤吉郎社長)に対し、同社が1997年以降に製造販売していた漢方エキス剤等について、承認申請内容とは異なる方法で製造していたとして、薬事法違反で26日から第2種医薬品製造販売業を19日間、医薬品製造業を21日間の業務停止とする処分を発表した。
同社は97年以降、▽「東洋漢方の黄耆建中湯エキス顆粒」の有効成分を変更▽「東洋の安中散料エキス顆粒」他45品目の有効成分を減量や増量し、承認書に記載されていない有効成分、添加剤を加えた▽「小青竜湯エキス(顆粒)」の添加剤を増量し、別の添加剤を加えた--などにより、その成分や分量が承認内容と異なる製品を製造販売。
さらに、これら製造販売する製品の品質管理をせず、適正な製造販売を行う配慮を怠った。また、承認書に規定されていない添加剤の使用の疑いで、府が立ち入り調査により必要な記録の提示を求めた際にも、虚偽の記録提示や答弁を行っていた。
同課によると、当該製品について昨年8月11日から自主回収(クラスII)を開始しており、現時点までに健康被害は報告されていないという。東洋漢方製薬の永井代表は「今回の処分を真摯に受け止め、今後はしっかり対応していきたい」とコメント。回収については「4月中には終了する」(同)としている。