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真価問われる登録販売者組織の役割

2012年4月13日 (金)

 今年は東日本大震災からの復旧復興による日本再生の年とされるが、同じように今年を組織再生の年と位置づけていたのが、全日本医薬品登録販売者協会(全薬協)。近年は改正薬事法施行に伴う“薬種商”の消滅、社会的構造の変化による組織離れ等による会員減少など、全薬協や各都道府県協会を取り巻く環境は、厳しさを増していた。

 全薬協が“再生の鍵”としていたのが、これまでの社団法人から「公益社団法人への移行」と、厚生労働省が示した「登録販売者の資質向上のための研修ガイドラインに沿った生涯学習研修」の遂行である。公益社団法人化に向けては、昨年から特別委員会を立ち上げ、準備を進めてきた。そして先月、内閣府から認定を受け、4月から正式なスタートとなった。

 また、先月26日には厚労省医薬食品局から、登録販売者の資質の向上を図るために、薬局・店舗販売業者・配置販売業者等に従事する全ての登録販売者に「外部研修実施機関」が行う研修を義務づけるガイドライン(指針)が発出され、4月1日から適用されることとなった。再生の鍵としていた二つの事項が実現されたことは、大きな転機であると共に、真価を問われることにもなる。

 公益目的事業としては、登録販売者研修支援・活性化事業及び研修認定登録販売者事業と、医薬品の適正使用に関する啓発および知識の普及啓発事業の二つを掲げている。岩元龍治会長は「登録販売者の職能団体としての位置づけを発揮し、国が進めているセルフメディケーションを担う登録販売者の組織を、きっちりと目指していきたい」と抱負を語る。

 全薬協では、約45年の歴史を有する全国統一薬事講習会や、今年度で8年目を迎える生涯学習研修事業を、厚労省からのガイドラインとリンクさせ、会員および会員外の、全ての登録販売者の質の向上に全力を傾注する考えだ。これまで全国で11万人を超える登録販売者が誕生しており、その質の低下は「社会的信頼の失墜を招き、同制度の崩壊につながる」として、これまで以上に研修事業に注力していきたいとする。

 登録販売者の外部研修受講の義務化に当たっては、昨年12月に厚労省はパブリックコメントを募集しているが、このガイドライン案に賛成する意見が113件だったのに対し、反対意見は何と3943件を数えた。主な反対理由では、「社内研修で十分」「時間やコスト、営業的に負担となる」「法的な規定がないのに義務づけるのはおかしい」「資質を確認する試験に合格しているのだから、研修が必要なのはおかしい」「規制緩和のための制度改正だったのに、規制強化ではないか」などの声が寄せられている。

 組織やグループには属したくないという社会的風潮、そしてパブコメに見られる研修への意識からは、全薬協再生への道筋は決して楽ではないだろう。一般用医薬品の専門家であると社会から広く認知されるためには、まず当の登録販売者自身の自覚が必要といえよう。そして真の職能拡大につなげるためにも、ガイドラインに沿った研修制度のスムーズな施行が望まれる。




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