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国内GE企業も生き残りの時代

2012年3月30日 (金)

 2012年度薬価制度改革で、全ての長期収載品が通常の薬価引き下げに加えて0・86%追加引き下げされる。今回の追加引き下げは、前回の2・2%に続くもので、業界筋からは「ルール化を懸念」する声や、「不合理な措置」とする意見が聞こえてくる。

 反対に「長期収載品の追加引き下げは残念だが、製薬企業が産業として発展するには、長期収載品には固執せず、新薬創出加算制度を重視するべき」と指摘する声も皆無ではない。

 ただ、今後も引き続き長期収載品の追加引き下げが行われる状況下で、日本の製薬企業が革新的な医薬品を創出し続けるには、それに代わる財源が確保できる合理的な制度作りが必要不可欠となる。

 一方、ジェネリック薬(GE薬)の今後の展望はどうか。国は12年度までにGE薬の使用率を数量ベースで30%以上という目標を打ち出しているが、その達成にはほど遠い。

 そもそも長期収載品等の追加引き下げは、後発品への置き換え不足の清算として実施されるもの。だが、GE薬と長期収載品の薬価の乖離がますます縮まるようであれば、果たしてどのような事態が予測されるか。

 恐らく、医療現場では、患者や医療機関が長年使い慣れ、かつ有効性・安全性のデータが豊富な長期収載品をより多く選択し、GE薬への切り替えは鈍るだろう。また国は、新たなGE薬使用率の目標をまだ掲げていないが、使用率の伸長はより一層期待できなくなると思われる。

 加えて、国内GE薬企業は、海外大手GE薬企業の日本進出や日本のGE薬企業を巻き込んだM&A、新薬企業のGE薬およびエスタブリッシュ薬事業参入も無視できない。

 海外大手GE薬企業の国内企業買収の主な事例では、イスラエルのテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズが、子会社化した大洋薬品と興和テバを統合して、4月1日付でテバ製薬を設立する。先発薬企業のGE薬事業への参入については、田辺三菱製薬やMeiji Seika ファルマのバイオ後続品の商業化などが挙げられる。 GE薬や長期収載品の一部を販売するエスタブリッシュ医薬品事業への先発薬企業の参入では、第一三共エスファやファイザーが記憶に新しい。

 競争激化による価格の低下に伴って製品のライフサイクルが短くなるなど、これまで政府のGE薬促進政策の追い風に乗って成長してきた国内GE薬企業も、これからはより厳しい環境下に置かれるのは間違いない。

 今後、国内GE薬企業が生き残るには、剤形を工夫するなど長期収載品より付加価値の高いGE薬の開発や、ライフサイクルの短縮に備えた品目数の増加、生産力の向上などが大きなポイントになる。




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