政府は4月29日、「2012年春の褒章」を発令した。薬学分野から、元大阪大学教授で現在、学習院大学理学部教授の花岡文雄氏が、遺伝子DNAの損傷認識機構の解明など、生物系薬学分野の業績が評価され紫綬褒章を受章した。主な受章者は次の各氏。
文部科学省関係
◇紫綬褒章
花岡文雄(大阪大学名誉教授、66歳):生物系薬学分野で遺伝子DNAの修復に関し、紫外線による損傷などの修復に働くヌクレオチド除去修復機構の中で、ゲノム全体に働く損傷認識機構解明や、損傷乗り越え複製に働く新規DNA合成酵素を発見するなどの優れた業績を挙げた。
{石+夾}合憲三(東京理科大学教授、61歳):有機合成化学分野で不斉触媒の開発に取り組み、前例のなかった不斉自己触媒反応の発見など、優れた業績を挙げた。
松本邦弘(名古屋大学教授、60歳):細胞生物学分野で、動物の発生・分化に働く情報伝達経路を発見するなど、優れた業績を挙げた。
山本雅之(東北大学教授、57歳):医化学分野で生体の環境適応・応答機能について研究し、生体の恒常性維持やストレス応答に不可欠な転写因子を発見するなど、優れた業績を挙げた。
北徹(京都大学名誉教授、65歳):循環器内科学分野で生体でのリポ蛋白代謝制御機構を研究し、粥状動脈硬化が酸化LDLによって引き起こされることを突き止めるなど、優れた業績を挙げた。
◇藍綬褒章
田中俊昭(67歳):元東京都学校薬剤師会会長
厚生労働省関係
◇藍綬褒章
木俣博文(64歳):日本医薬品卸業連合会理事