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期待されるMR認定試験改革  

2007年04月06日 (金)

 年度末に医薬情報担当者(MR)教育センターは、「MRの教育研修制度及びMR認定制度の抜本改革報告書」を公表し、両制度の抜本改革内容が明らかになった。2005年11月、教育研修委員会に専門のプロジェクトチームを立ち上げ、以降10回の検討を経てまとめられたものだが、行政手法のように学識者や一部関係者による意見のとりまとめを示すのではなく、各案が固まった段階ごとに、センターが開催するセンターミーティングや講習会で開示し、胸襟を開いて現場の意見を頻繁に聴取(アンケートも実施)し、反映した点が特徴である。

 質や倫理性を問われていた「プロパー時代」の反省に立ち、30年近くにわたって業界全体が自主的に改善・向上に向けた努力を重ね、96年以降は同センターが教育研修と認定試験事業を担ってきた。MRの一定レベルの質を確保し向上させる教育研修制度と、それを担保する第三者による認定制度は車の両輪として機能し、現在のMR認知度、信頼性の高さにつながっている。

 教育環境は、医学・薬学教育のみならず、義務教育までもが、従来の学習時間を管理する、悪く表現すれば参加するだけの「履修主義」から、学んだ内容が本当に自身の血肉になったかを確かめる、学習到達目標を明示した成果管理の「修得主義」へと、大きく変化している。

 また、MR認定試験は既に13回実施され、受験者数は10万人を超えている。合格者は約8万6000人にまで達し、医療・医薬品業界の職能における一大勢力にまで育った。

 製薬企業の再編も進み、12年には6年制薬剤師が誕生するなど、業界や教育環境の変化を迎えるこの時期に、MRの両制度を改革することは、まさに時宜を得たものと評価できよう。

 今回の改革で重視されているのが、資質向上を図るための効果的・効率的な教育と、MR認定試験の受験資格対象者の段階的拡大の2点である。教育の充実については、導入・継続教育カリキュラムの全面的な見直しがある。まずは、導入教育で時代に対応した科目の統合、MR活動に必要な内容の充実などカリキュラムを見直し、08年度までに新カリキュラムを作成する予定だ。

 一方、受験資格の拡大については、MRの場合、企業内教育が前提になっているため、熱意ある個人のMR希望者に対して一切門戸が開かれていなかった。そのため、優秀な人材を広く採用できるチャンスを失していたのではないかという意見があった。それに加え、小規模企業におけるMR育成上の問題点(認定取得後の流出)などもあり、検討が始まった。

 MR認定証が個人に対して付与される性格上、個人取得の議論は以前からあったが、企業での実務教育と6カ月の実務経験を必須とする教育構造上、困難だった。

 今回は、一定の条件を満たす社会人に限定して、センター認定教育施設で基礎教育を修了すれば受験資格が得られ、後に企業で実務教育と実務経験を積めば認定証が交付される方式が、08年度から実施されることになった。

 個人の経済的負担問題、学生への対象拡大など残された課題や検討すべき項目はまだ多いが、質の高いMR育成に向けて、確かな改革となってほしい。




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