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患者の立場優先する薬剤師業務を

2006年4月17日 (月)

 2002年度の診療報酬改定では、後発医薬品の使用環境整備を促進する観点から「医薬品品質情報提供料」が設定された。医師が一般名で処方し、保険薬局が患者の同意を得た上で、あるいは処方せんの指示により後発医薬品を調剤した場合に算定できるものであった。これが発端となって、後発医薬品に対する品質、供給体制等に関するホットな論議、代替調剤などの話題が展開されてきたことは周知の通りである。

 だが、国民、患者あるいは処方する医師の側にも、後発医薬品(ジェネリック医薬品=GE薬)の知名度は低く、使用が急速に伸びるまでの状況には至らなかった。そのため国は後発医薬品について、“使用環境の整備”から“使用促進”へと大きく舵を切った。その現れが、今年度の診療報酬改定で行われた「処方せん様式の変更」という大改革である。

 02年当時、「一般名処方」に関しては医師の処方権に加え、医師が一般名を知らないという現実的な問題があり、医療現場で一般名処方が急速に普及していくことは難しいと考えられていた。その意味では一定の周知期間を置くと同時に、一般名処方だけでなく新しい手法も取り入れて、使用促進策が打ち出されたと捉えることができよう。

 ある大手調剤薬局チェーン社長の言葉を借りれば、「これからは制度としてGE薬を使う時代」である。「数年前から導入していた“先発医薬品と後発品(備蓄品)との価格比較システム”が、やっと実際に稼働する状況になった。全店舗でこのシステムを活用し、価格の違いをディスプレーで示したり、あるいは比較一覧をプリントアウトして説明し、後発医薬品の使用促進に努める」と話している。さらに店内では、患者番号が表示される大型液晶モニターで、後発医薬品の啓発ビデオを流し、患者の意識を高めようという力の入れようだ。

 4月に入ってからほぼ2週間が経過した。日本薬剤師会の幹部は、現場からは「後発医薬品への変更可」による影響、クレームは特に報告されておらず、目立った混乱はないという。だが、事前に準備していた医療機関では、全面的に処方せんを新しい様式へ変更したところもある。

 先ほどの大手調剤チェーンの即時統計によれば、4月に入ってから1週間ほどの全国の累積では、約12%の医療機関から“後発医薬品への変更可”という処方せんが発行され、さらにそのうちの12%程度が、現実に後発医薬品へ変更されたとしている。

 今回の診療報酬改定では、従来の医薬品品質情報提供料が「後発医薬品情報提供料」と、本来あるべき名称に変更された。合わせて“薬剤料の差”を含む「後発医薬品に関する主たる情報」を提供することが求められている。

 品質や価格に関する情報を、どのような形で提供していくべきか等については、まだ議論も多い。また日薬代議員会では「自分の店にある薬で、代替調剤できるように…」との意見が出され、それに対し執行部からは「自分の薬局が備蓄している医薬品に変更するのが代替調剤ではない」と説明してきた。患者の選択を優先すべきとの立場である。

 このほかにも様々な問題、論議はある。ただ薬剤師が、医療費削減に向けて活躍する場を得たことだけは事実だ。後発品に限ったことではないが、医薬品添加剤に対する過敏性のチェックなど、患者の立場を尊重し、総合的に患者に喜ばれる「薬剤師の仕事」を実践することが望まれよう。




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