【新製品】「分包機にお任せ」を実現‐「E‐Drop」11月発売 エルクコーポレーション

2012年10月19日 (金)
「E‐FAS」に接続した「E‐Drop」
「E‐FAS」に接続した「E‐Drop」

 エルクコーポレーション(本社:大阪市中央区)は、PTP直接充填・次世代錠剤供給ユニット「E‐Drop(イードロップ)」を開発、11月から発売する。E‐Dropは、同社が薬局向けに販売している全自動散剤分割分包機「E‐FAS」(93包)に接続して使用することで、調剤薬局における「PTPシートの除包から一包化まで」の一連の作業負担を大幅に軽減することができる。PTPシートをE‐Dropに直接充填すれば「あとは分包機にお任せ」を実現。薬歴管理や服薬指導など薬剤師の本来業務の充実を力強く後押ししてくれる。

 高齢化に歯止めがかからない日本では、今後ますます高齢患者の増加により、飲み忘れや誤飲の防止を目的とした一包化調剤の需要は高まることが予想される。分業率の進展に伴い面分業が進み、また、後発医薬品の使用促進などを背景に、薬局の医薬品在庫は増加し、より多様な薬剤を取り扱うケースが増加しているともいえる。

 そのような背景を受け、ニーズ高まる一包化作業の省力化、効率化、精度向上は今後の薬局にとっても大きなテーマとなっている。

「E‐Drop」

 一包化作業を自動化する製品としては、専用カセットにあらかじめバラ錠をセットし、分包する方式の製品が存在する。しかし、在庫薬剤の多様化による負担が増える中、「バラ錠」の在庫負担や専用カセット等のコストもかかるため、多くの薬局では薬剤師が1粒ずつ指で押してPTPシートから取り出し、手撒きにより一包化を行っているのが現状となっている。

 E‐Dropは、PTPシートをそのまま各ユニットに装填し、ユニットごと(各薬剤)に用法・錠数などの条件を入力するだけで、薬剤師は煩雑な作業から解放される。次世代型錠剤供給ユニットといえる。

 E‐Dropの主な特徴として、[1]PTPシート2列マルチサイズ対応[2]独自技術による高い除包性能[3]本体液晶タッチパネルで簡単操作[4]最大12ユニット装着可能(標準6+増設6)――の4項目が挙げられるが、薬剤師の熟練度に関係なく、作業を標準化できるのも大きな特徴だ。

 PTPシート2列の錠剤・カプセル共に使用でき、10錠シート・14錠シート(ウイークリー)サイズ両方に対応している。ただし、3列シート、両面アルミ箔のシート等には対応しない。これら薬剤については、本体の錠剤マスに手撒きができる。また、手撒きの場合、本体液晶タッチパネル錠でさらに簡単なガイダンスを表示する。

 また同社の独自開発技術により、様々なPTPシートから高い精度で錠剤・カプセル剤を除包することができる。ところで、PTPシート内の錠剤は、多少とも静電気を帯びた状態にあり、作業工程にも少なからず影響を与える。そこで同社では除電器をセットし、自動化システムの精度を一段と高めている。

 入力は本体に内蔵された5・7インチと見やすい液晶のタッチパネルから、ユニットごとに分包条件を簡単に設定することができる。

 またシートを装填するユニットの標準は6ユニットだが、さらに6ユニットの増設が可能。従ってトータル12ユニットでの運用も可能だ。

11月から「キヤノンLCS」に社名変更

 11月1日付で、エルクコーポレーション(エルク)は、キヤノンライフケアソリューションズ(キヤノンLCS)に社名変更する。これに併せてキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループ内に分散していた医療機器事業の営業・保守サービス部門との統合も行う。

 キヤノンMJは、日本市場でのキヤノンブランド製品の直販、卸売や修理などのサポートなどを行う企業。医療関連事業ではキヤノン製品のほか、外資系企業の医療機器販売も手がける。昨年10月に事業拡大に向け、医療機器の商品開発力に加え、市場への幅広い営業網と販売力を有するエルクを完全子会社化。これまでクロスセルによる両社製品の販売拡大を図りながら、協業体制を強化してきた。

 キヤノンMJは昨年から、5カ年計画「長期経営構想フェーズII」をスタートし、2015年12月期までに医療関連事業の連結売上高600億円を目指している。新生キヤノンLCSでは販売からサポートまで一貫した顧客密着体制が強みとなる。キヤノン製品を核としたソリューションや輸入製品、医療システム機器、ヘルスケア関連など幅広い製品提供で独自の存在感を打ち出し、さらなる成長を目指す。



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