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【2012年 回顧と展望】セルフM普及への「転機」の年‐OTC薬協

2012年12月26日 (水)

 一方、医療機関と製薬産業とのかかわりに対し、透明性の確保を求める世界的な潮流に対応して、当協会においても、『企業行動憲章』および『OTC医薬品企業の活動と医療機関などとの関係の透明性ガイドライン』を策定し、会員各社の取り組みを支援することとした。各社それぞれの規定並びに対応手続の整備を要することから、透明性ガイドラインに基づく報告公表等は、14年度以降となる見込みである。

 このような取り組みの中で、わが国の少子高齢化、国民医療費の増大は、引き続いており、医療費は過去最高の37・8兆円と報告され、50年には世界でも5人に1人が高齢者と予想されている(国連人口基金UNFPA)

 これに対処する上で、欧州協会(AESGP)の年次総会で示されたように「セルフケアが保健医療を支える」との訴えが世界中でなされ、第1回国際セルフケアデー事業が上海で開催されるに至った。夏には、世界協会(WSMI)の事務総長が来日し、10月の第9回アジア太平洋地域会合の準備などを含め、関係者との懇談がもたれた。

 一昨年、台湾で設立会合がもたれたアジア太平洋セルフメディケーション協会(APSMI)は、その第1回総会を今年10月に韓国ソウル市で開催し、アジア諸国並びに欧米からの参加者を含め、300人ほどが結集した。わが国からも50人ほどが参加し、日本の取り組みを説明すると共に、海外の経験を学んだ。

 このほか、『命と暮らしを支える』薬剤師6年制記念シンポジウムや、毎年恒例の新宿西口イベントとしての市民啓発事業が行われたほか、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が、「セルフメディケーションフォーラム」を開催し、生活者と一体となった取り組みに向けた活動を呼びかけた。

 このような活動が進む中、年末の総選挙に際し、自民党が掲げた政権公約において、セルフメディケーションの推進とスイッチ化OTC薬の拡大が明記されたことは特筆に値するだろう。

 また、このような輝きの中で、当協会発足に当たり初代理事長を引き受け、ご尽力いただいた新田進治氏がかねて病気療養中のところ本年6月にご逝去された。ご本人の強い申し出により、葬儀等は身内のみにより執り行われたが、知らせを受けた関係者一同は巨星落つとの思いで、故人の冥福を祈ると共に、故人が取り組んだセルフメディケーションの振興に一層尽力することを誓った。

 なお、日本OTC医薬品協会は、旧来の事務所が手狭になったこともあり、12月から事務所を千代田区岩本町に移転した。

 このように、12年は誠に多彩な年であったが、将来において「転機」となった年として記憶されることを願っている。


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