再生医療ベンチャーのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J‐TEC)は、今年度から3カ年中期経営計画をスタートさせた。「自家培養表皮ジェイス」の最大化と、4月に保険適用された「自家培養軟骨ジャック」の事業立ち上げに取り組み、最終年度の2015年度に売上高約27億円、黒字化の達成を目指す。小澤洋介社長は本紙の取材に対し、「ジャックの保険適用で再生医療の産業化の入り口に立つことができた。その先のiPS細胞を活用した医療につなげられるよう取り組みたい」と語った。
同社は、ヒト細胞組織利用製品を製造販売する国内唯一の再生医療ベンチャー。ただ、昨年度業績は、売上高5億6000万円、営業損失11億円と赤字で着地した。重傷火傷を適用対象とする第1号製品のジェイスでは、保険償還条件となる算定限度の緩和や施設数の拡大で事業環境が改善した一方、製造中の患者死亡による「出荷前製造中止」が受注全体の約45%まで上昇。表皮水疱症などの適応拡大に向けた取り組みを進めているが、ジェイス単体での収益化には一定の期間を要する見通しだ。
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