慢性リンパ性白血病(CLL)に対する国内初の分子標的薬としてグラクソ・スミスクラインのヒト型抗CD20モノクローナル抗体「アーゼラ」(一般名:オファツムマブ)が登場した。現在のCLL治療の第一選択はプリン拮抗薬のフルダラビンを軸とする化学療法だが、再発・難治性の標準治療は確立されていない。抗体療法が可能になったことで、依然として治癒までは望めないものの、治療方針が大きく変わる可能性が出てきた。がん研有明病院の畠清彦部長は、日本血液学会を中心にガイドライン作成の動きがあるという。
血液中には細菌やウイルスに結合して異物を除去する抗体を作る白血球の一種として「Bリンパ球」がある。CLLは小型のBリンパ球が末梢血、骨髄、リンパ節、脾臓などで増殖するリンパ系の造血器腫瘍で、感染に対する抵抗力が低下したり、正常な血液細胞を作る機能が落ちて貧血や出血傾向がみられる。進行は緩やかだが、急激に悪化することもあり、患者は50歳以上の男性が多い。欧米では全白血病の約25%を占めるが、日本では約1~3%と発症率が極めて低い。
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