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【台湾の受託産業】バイオ産業活性化の牽引役‐生物技術開発中心

2014年1月23日 (木)

国際的なTR拠点推進

鄭氏

鄭氏

 1984年に台湾政府技術局(DOIT)と経済部(MOEA)の支援を得て設立された非営利機関「生物技術開発中心」(DCB)は、台湾のバイオ産業を活性化させる先導役だ。探索研究から遺伝子組み換え蛋白のマスターセルバンク製造、動物を用いたバイオ医薬品やワクチンの非臨床試験、バイオ医薬品の治験薬製造を行えるバリューチェーンを整備する。台湾内外の大学・研究所、製薬企業との業務提携や合弁事業にも積極的で、臨床入りした開発パイプラインもある。ヒトでの有効性(POC)を確認した後は、製薬企業に技術移転を行い、基礎から実用化まで橋渡しする国際的なトランスレーショナル拠点を目指している。

 DCBは、334人の研究者を抱え、▽バイオ医薬▽低分子化合物▽天然物――の三つのテーマで医薬品開発を行っている。探索研究から非臨床試験、臨床試験の研究開発体制に加え、第I・II相試験向けにPIC/Sに準拠したバイオ医薬の治験薬製造基盤を持つ。台湾内外の大学・研究機関や製薬企業と多くの共同研究を行うほか、ライセンスされた化合物や抗体を改良し、臨床入りさせPOC取得まで開発する“セカンドランナー”としての役割を担う。POC取得後は、商業化に前向きなバイオ企業への導出を行っている。

 豊富な開発パイプラインを揃える。Hib感染予防ワクチン、インフルエンザ予防ワクチンが第I相、関節リウマチを対象とした抗IL‐20抗体、ウイルス性感染症を対象とした抗HSV抗体は、来年にもIND申請を行う。独自の基盤技術としては、それぞれの抗原結合部位で、異なる抗原に結合できる二重特異性抗体などユニークな抗体技術を持っている。一方、低分子化合物では、癌適応でmTOR阻害剤をIND申請中、そのほか3品目が非臨床段階に控えている。

 製薬企業の誘致ではシンガポールなどが積極的だが、執行長室副執行長の鄭建新氏は、「台湾が持つ技術力の高さで事業化する」と述べ、新規作用機序のファースト・イン・クラス製剤よりも、ベスト・イン・クラス製剤開発で差別化していく方向性を打ち出す。その上で、「製薬企業が開発を断念したプロジェクトについても、ドラッグデリバリーシステム技術などを活用した高付加価値製剤を開発し、われわれが再チャレンジを支援したい」意向を語る。

 DCBが運営していた施設や工場を民間企業に事業譲渡している。2011年には、米非臨床試験CRO大手のQPSホールディングスに対し、台湾の毒性学・前臨床研究センターを売却。DCBの開発プロジェクトでは、QPSに非臨床試験を委託するなど連携関係にある。

 一方、技術移転や業務提携、合弁事業を推進していく部門としては、経済部工業局の生技医薬産業発展推動小組(BPIPO)が国内外でDCBのプロモーションや将来の事業開発を担う。また、台湾政府の出資でインキュベーション施設「南港生技育成中心」を稼働。大規模な敷地に最先端の設備と施設を備えており、多くのバイオベンチャー企業が入居。台湾バイオ産業の底上げにも力を入れる。


この記事は、「薬事日報」本紙および「薬事日報 電子版」の2014年1月1日特集号‐時の話題‐に掲載された記事です。




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