データソリューション、国内でも提供
Veeva Japanは、来夏をメドにデータソリューション「Veeva NETWORK」を国内でスタートさせる。販促資材などのコンテンツをクラウド上で管理する「Veeva VAULT」(ヴォルト)や、CRMとクローズド・ループ・マーケティング(CLM)をiPad上に統合させた営業支援システム「Veeva CRM」を展開してきたが、そこにデータソリューションも合わせて提供し、サービスプラットフォームを強固にしていきたい考え。5月にはVeevaのソリューションの利用会社で構成されたユーザー会「Veeva Club」を立ち上げ、定期的に意見交換する場を設けた。
Veevaのグローバル実績は、過去3年間の売上が年平均85%成長と大きく伸び、日本を含めたアジア・パシフィック地域では、それを大きく上回る261%と成長を遂げている。現在、世界75カ国200社以上の採用実績があり国内企業からの採用も増え続けている。主力の「Veeva CRM」は、iPadだけでなくいち早くウィンドウズ8にも対応し、国内でウィンドウズ8を活用するユーザーも出てきている。
Veevaにとって今年から来年は、ソリューションを拡充していく期間といえる。将来の成長を支える製品に位置づけるのが、データソリューション「Veeva NETWORK」。既に米国や中国では実績があり、国内に投入する。今年の8月にはソリューション責任者を採用し、専門組織を立ち上げ、サービス開始に向け、着々と準備を進めている段階だ。
CRMソリューションと、コンテンツ管理の「Veeva VAULT」の両輪に、データソリューションが加わることで、製薬企業のビジネスニーズに、よりマッチしたソリューションを提供できる格好。
営業中心のSFAからあらゆるチャネルでの顧客との関係性を重視した真のCRM実現に向けた製品も目白押しだ。昨年サービスを開始した「CRM Approved Email」は、コンプライアンスに順守して医師にメールを送る仕組み。承認済みのコンテンツを簡単に現場のMRから送信することができる。既に顧客に導入され、効果をあげている。
今年リリースしたマルチチャネル時代に対応した「CRM Engage」はオンラインで提供した情報について、医療従事者の閲覧記録をトラッキングでき、CRMソリューションと連結しているため、ただちに社内で情報共有できる利点がある。
さらに今年末には、「CRM CoBrowse」のサービス名で、遠隔地にいながら医療関係者とWeb画面を共有し情報提供できるサービスを始める予定。
そのほか、学会や研究会などの情報を網羅した「CRM Events Management」、CRMから収集した膨大な情報を活用し、MRのテリトリやリソースの最適化へと導く「Veeva Align」を来年以降にリリースし、支援体制をより充実させていきたい考えだ。
「50%は顧客の声、50%はVeeva独自のイノベーション」を源泉に、既存サービスの改良、新規サービスを開発してきたが、その姿勢は今後も揺るぎない。ユーザー会「Veeva Club」を立ち上げ、製薬企業間で“e”を使ったディテールや、CLMのあり方など、意見交換する場も提供している。
各社が自社の活用事例について発表し、会社の垣根を越えた闊達なディスカッションが行われ、業界内で“共創する”土壌がVeevaを介してできつつあるようだ。顧客の声が蓄積され、Veevaのイノベーションとの相乗効果も生まれてきているという。
ソリューションの活用は、もはやMR活動にとどまらず、製薬企業全体の営業生産性向上を実現する時代に入った。プロダクトマーケティングマネージャーの岡田和也氏は、「お客様とVeevaで共創しながら、業界のコマーシャル領域におけるイノベーションを生み出したい」と話す。日本事業を開始して4年目、国内外で積み上げた実績で他社を差別化し、新たな成長ステージを目指す。
ヴィーバジャパン
http://veeva.jp/