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参議院選、どうなる診療報酬改定

2007年8月3日 (金)

 自由民主党への厳しい逆風の中で、7月29日の参議院選挙は即日開票の結果、全国比例区で再選を目指していた藤井基之氏が落選した。同じく、薬剤師議員ではあるが農林水産関係を含め広く活躍していた常田享詳氏(自民)も鳥取選挙区(一人区)で健闘したものの、民主党新人に3万票もの差をつけられ次点、3期連続当選は果たせなかった。1984(昭和59)年に石井道子氏が比例区での繰り上げ当選して以来、参議院に日本薬剤師連盟推薦を含めた「薬剤師議員」が1人もいなくなった。23年ぶりの出来事である。

 薬剤師連盟の資料によると、71(昭和46)年6月、参議院全国区推薦の坂口徳治郎氏、惜敗。翌年の4月、石舘守三会長の下、日本薬剤師政治連盟と日本医薬分業推進同盟が合併し、「日本薬剤師連盟」が改称発足するとある。新体制で臨んだ『分業元年』といわれる74(昭和49)年の7月に行われた参議院選挙では全国区推薦の森下泰氏、当選。77(昭和52)年7月の参議院全国区推薦の望月正作氏、惜敗。高木敬次郎会長の時代に入り、83(昭和58)年6月に参議院比例代表区推薦の石井道子氏、次点。翌年8月に繰り上げ当選を果たす。

 以来、石井氏が3期を務めた後、01(平成13)年7月、名簿順から記名式となって初の参院選で藤井氏が初当選した。

 その間、一桁台の分業率は40%近くに進展、医薬分業は大きな流れとなった。藤井氏の時代に50%を超え分業も定着。それと共に、薬剤師法や販売制度の改正、6年制の実施など次代に向けた改革が緒についた。

 医療制度改革による新たな医療提供体制の構築においても、薬剤師・薬局の担う役割に大きな期待が持たれ、必然的に薬剤師の地位向上のチャンスであると共に、期待される事柄も多くなろうとしている。まさに、新しい薬剤師を作り上げる一歩を踏み出そうという矢先であっただけに、落選はいかにも痛い。

 さて、今回の選挙では、少なくとも従来の自民党支持基盤であった医療関係団体が推薦する比例区候補者が軒並み落選した。4師会の中では日歯連参与の石井みどり氏(自民)が22万票余を獲得、8位当選した。医師会の武見敬三氏、看護協会の松原まなみ氏ともに落選。

 ただし、日薬でいう裏の選挙、つまり、3年前の04年の参院選で薬剤師会は小西惠一郎氏を当選させられなかっただけに、参院に“代表”がいないのは薬剤師会だけになった。格差を生む結果になるのではないかと危惧される。

 直近の問題は、「政治の場で決着する」ことが漸く浸透してきた「診療報酬改定」だ。確かに3期連続で“マイナス改定”が続いた。しかも今回の出来事で、国会で薬剤師(会)代表として説明する議員が1人もいない中、医療費圧縮の矛先が「調剤」に集中することを避けられるだろうか。

 6年前は小泉旋風の中でギリギリの当選。今回が厳しいことは、その時点で分かっていた。得票は前回を上回ったという言い方はあるが“当落ライン”の20万票には遠く及ばなかった。自民党の支持基盤の医療関係団体も、自民離れを起こしたとの見方もある。ただ、厳しいからこその組織力であろう。その大本は「人」であり、平和惚けの意識改革が必須。しかし、案外直ぐにもその時期は来るかもしれない。08年度の診療報酬改正の動向が注目される。




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